アウトドア流防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
大人でも犠牲になる、危険なブロック塀
熊本地震でブロック塀の下敷きになり、命を落とされた熊本市東区の坂本龍也さんは、当時29歳でした。
■1年半で追悼 ブロック塀の下敷き事故現場 (毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20171014/k00/00e/040/175000c
記事中に「暗闇の中、あっという間にブロック塀が落ちてきた」とあります。29歳の方が逃げられなかったのに、一体誰が倒壊するブロック塀からアクション映画やこどもむけアニメの1コマのように離れたり逃げたりできるというのでしょうか?
危険なブロック塀はあらかじめ撤去する以外に命を守ることはできません。
各地で助成金もでています。
しつこいですが、こちらでどんなブロック塀が危険かということと各地の助成を詳しく紹介しています。
ただ、ブロック塀改修の助成があっても、なかなかブロック塀撤去は遅々として進んでいないのが現実です。10万円あれば、10mのブロック塀を撤去できるのですが、助成に上限があったり、全額支給ではない場合も多く、わざわざお金をだしてまで防災のために今すぐ撤去しようと思ってくれる人は少ないのです。震災後には寄付をしてくださる心優しい方々も、地震が起こる前に、ブロック塀を撤去しようと動けないのは、なぜなのでしょうね。
そこでです!
一方で、杉が有効活用されなくて、花粉が飛びまくっているわけです。他方で、危険なブロック塀が放置されている・・・と、きたら、一挙解決をめざしませんか?その名も「ブロック塀を杉の塀に変えるプロジェクト」!
いつ起こるかわからない地震のために、危険なブロック塀を撤去するのが難しくても、今、多くの人が苦しむ杉をなんとかしたい気持ちを原動力に、ブロック塀撤去ができればいいなと思うのです。
実は、杉の有効活用についても、杉の産地などでは、助成金がでているのです。
こちらは埼玉県飯能市のもの。木塀と明記してあるのが嬉しいですね。地元の西川材という杉を使って、杉の塀に変えれば助成金がでます。だから、ブロック塀は杉の塀に変えられます。
(東日本大震災直前に、飯能市に「ブロック塀を杉塀に」とプレゼンした際には塀もリフォーム補助金に含まれると回答を得たものの、塀そのもので助成されるか、明記されていませんでした。明記されるように変わっていて嬉しい♪)
難燃処理された杉もでてきていますし、最初から炭化させて、味のある塀にしつつ、燃えにくい塀にすることもできます。
この杉の有効利用と地震のブロック塀撤去は目的が異なるものです。ですので、自治体にもよるのですが、両方の助成金を併用使用することも可能なのです。そうすると、全額補助を受けることも可能になります。
全国で杉の有効利用に取り組んでいる自治体では、ぜひ、地震の際のブロック塀撤去とセットで取り組んでいただきたいです。そうすれば、一挙解決!(国も動いてほしいくらい!)
そうは言っても、ブロック塀撤去助成もなければ、杉の有効利用助成もないという場合のところもあるでしょう。その場合、生垣に変えれば助成される緑化助成が利用できる地域もあります。