住民がブロック塀撤去と生け垣による安全なまちづくりを実現

生垣だと手入れが大変・・・という声もあったりしますが、東京都国分寺市では、地震の報道でブロック塀の危険を理解した住民がブロック塀撤去と生け垣による安全なまち並みを実現しました。地域のみなさんで動くと手入れが大変という相談もしやすくなりますから、素敵な試みですよね♪

出典:塀づくりで守るわがまち防災まちづくり:東京都国分寺市(国土交通省)http://www.mlit.go.jp/crd/townscape/gakushu/data3/kokubunji_hei.pdf
出典:塀づくりで守るわがまち防災まちづくり:東京都国分寺市(国土交通省)http://www.mlit.go.jp/crd/townscape/gakushu/data3/kokubunji_hei.pdf

3つ目に、「ブロック塀撤去の制度はあるけど、周知してもあまり利用されない」という自治体の声があります。他方で、子育て世代で講演すると、ブロック塀が怖いと思っているけど、さすがにブロック塀のお宅を訪問して、撤去して欲しいとは言えないという声があります。

ということで、ここでもマッチングして一挙解決を目指しませんか?

例えばです。推薦制度にするのです。ここを美しく安全にしたいという推薦が5人以上あった場合は、撤去費用の一部免除ではなく、全額免除にするという制度です。ブロック塀が危ないと思っていても、それを通報するのも気がひけるし、通報したところで、行政は持ち主に対し、撤去してくださいとは言えません。でも、推薦制度で全額免除になるのであれば、持ち主にもお得になるので、気軽に推薦することができます。ブロック塀の危険に気づいた持ち主が自分で推薦人を集めるというのも地域づくりになるのでありですよね!行政も、多くの人がどの道を利用し、危険を感じているか、把握することができるようになり、そこから重点的に撤去できるので効率がよいです。誰にとってもwin-winな制度になるのですが、いかがでしょうか?

名付けて「お得推薦ブロック塀撤去プロジェクト」!いかがでしょう?どこかで実現できたらいいのですが♪

最後に、ブロック塀が地震で倒壊した場合、人を傷つけたり、他人の家や壁や物を損傷したケースなどでは、損害賠償責任を負うケースがあります。地震だからいつでも不可抗力といえるわけではありません。新耐震基準を満たせば震度5ではブロック塀は倒れないはずです。そのため、震度5でブロック塀が倒れると、耐震基準を満たしていない過失がありとして責任を負う可能性が高いです。震度6はいままでは不可抗力といえる場合もありましたが、これだけ地震が頻発していると、損害賠償責任を負う可能性が広がると指摘されています。

■地震とブロック塀 補修進めよう 倒壊の責任負う可能性(法テラス) 
http://www.houterasu.or.jp/news/houteki_trouble/page00_00173.html

それだけなく、先の熊本地震のブロック塀の倒壊については、「約2メートルの高さの擁壁上に立てられたブロック塀について危険な工作物であり、小規模な揺れでも倒壊することが予想できた」として、ブロック塀の所有者に対し、過失致死傷容疑で県警に告訴が検討されているとのこと。

危険なブロック塀を放置した際、命に関わる取り返しのつかない重大な被害をもたらしますし、民事上や刑事上まで負うかもしれない責任の重さも考えると、事前に撤去する以外の選択肢はないはずです。ぜひ、花粉症対策やまちの景観作りとミックスで、いろいろな制度を組み合わせて、一刻も早く撤去をお願いいたします。

(了)