2018/03/15
防災・危機管理ニュース
気象庁はビルやマンションといった高層建築物の揺れに大きな影響を与える長周期地震動情報のオンライン配信を行う計画を示した。14日、「長周期地震動に関する情報検討会」の第13回会合を開催。地震後に長周期地震動階級などの情報を配信。ニュースサイトやテレビ・ラジオといったメディアを通じ、広く通知を図る。早くて2019年度となる見通し。
長周期地震動の階級は1~4に分かれており、3は立っていることが困難、4ははわないと動くことができないレベル。1であってもエレベーターが止まるといった影響が及ぶこともある。認知度についてのヒアリング調査では、2014年度に57.0%が「見たり聞いたりしたことがあった」と回答。一方で2015年度調査では階級については51.1%が「言葉も内容も知らなかった」と回答している。
気象庁では認知度や利便性、安全性向上を目指し、地震から10分後をめどとして長周期地震動情報のオンライン配信を実施。気象庁ホームページに内容を掲載するほか、ニュースサイトやテレビ・ラジオ、アプリなどによる広い通知を図る。配信するケースは(1)階級1以上(2)階級1以上または震度3以上―の2つの案から検討する。階級は単に数字を伝えるだけではイメージしにくいことから、説明の短い文章も入れる方針。
また、気象庁ホームページにあり、地震が起こった際に階級を知らせている「長周期地震動に関する観測情報(試行)ページ」について、1年程度かけて改善を実施。2018年度末をめどに本格運用を行う。
気象庁の橋田俊彦長官は「長周期地震動についてはまだまだ認知されていない。多様なニーズに応える必要もある」と指摘。「長周期地震動についても民間サービスに情報が利用され、気象業務の向上につながるようにしたい」と述べた。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
過疎高齢化地域の古い家屋の倒壊をどう防ぐか
能登半島地震の死者のほとんどは、倒壊した建物の下敷きになって命を落とした。珠洲市や輪島市の耐震化率は50%程度と、全国平均の87%に比べ極端に低い。過疎高齢化地域の耐震改修がいかに困難かを物語る。倒壊からどう命を守るのか。伝統的建築物の構造計算適合性判定に長年携わってきた実務者に、古い家の耐震化をめぐる課題を聞いた。
2024/03/28
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月26日配信アーカイブ】
【3月26日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:四半期ニュース振り返り
2024/03/26
-
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月19日配信アーカイブ】
【3月19日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:副業・兼業のリスク
2024/03/19
-
リスク担当者も押さえておきたいサイバーセキュリティ対策の最新動向
本勉強会では、クラウド対応のサイバーセキュリティ対策の動向を、簡単にわかりやすく具体的なソリューションの内容を交えながら解説します。2024年3月8日開催。
2024/03/18
-
発災20分で対策本部をスタートする初動体制
総合スーパーやショッピングモールなど全国各地のイオン系列の施設を中心に設備管理、警備、清掃をはじめとしたファシリティマネジメント事業を展開するイオンディライト(東京都千代田区、濵田和成社長)。元日に発生した能登半島地震では、発災から20分後にオンラインの本社災害対策本部を立ち上げ、翌2日は現地に応援部隊を派遣し、被害状況の把握と復旧活動の支援を開始しました。
2024/03/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方