国際社会が重視する人権問題への対応はグローバル企業の重要課題(写真:写真AC)

ウイグル強制労働問題について企業が対応に追われています。NGOによる国際的な一斉キャンペーンのようです。日本においては、4月8日に日本ウイグル協会、NGOヒューマンライツナウ、東京大学教授らによる記者会見が開催され、4月9日にはフランスのNGOがユニクロのフランス法人を含む4社をウイグル強制労働や人道に対する罪の隠匿疑いでフランス当局に告訴。金融庁と東京証券取引所は、6月に施行するコーポレート・ガバナンスコード(企業統治指針)に、人権の尊重を求める規定を盛り込みます。企業はどう向き合えばよいのでしょうか。日本ウイグル協会の記者会見から今後を予測します。

国連が重視する「ビジネスと人権」

ウイグル協会らによる記者会見の内容は、中国政府が新疆ウイグル自治区で行っている大量の拘束、虐待、強制労働、ムスリム文化破壊に、日本企業がサプライチェーンを通じて関与している可能性について指摘するものでした。

ベースになっているのは、オーストラリア戦略研究所(Australian Strategic Policy Institute、以下、略称ASPI)が出した調査報告書。その中に日本企業が14社リストアップされていることから、その14社に回答を求めたけれど、回答は監査結果に透明性がなかったり、調査しない、無回答など期待以下の結果。よって、この会見で次の3つの勧告を出すことを発表しました。

❶リスト記載の14社は取引関係を明らかにして説明責任を果たすべき
❷明確に否定できない場合取引関係を打ち切るべき
❸再発防止策を策定して公表するべき

また補足として、企業は国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年6月策定)に従ってサプライチェーン・バリューチェーンでの人権侵害の予防、軽減に努める必要があること、2021年3月29日に国連で新疆ウイグル自治区における拘束・強制労働に対する深い懸念を表す声明が発表されたこと、日本政府は「ビジネスと人権」に関する行動計画を2020年10月に発表したことなどの説明がありました。

そして、NGOからの企業へのアプローチではエンゲージメントとして弱い、人権侵害がなくなるようメディアも報道してほしい、といった要望で前半の説明が締めくくられました。