インタンクで燃料不足を乗り切った
全国的にガソリンや軽油の不足が深刻化する中、同社も、震災1週間後ぐらいから車両燃料が不足し始めたが、あらかじめインタンクを整備して燃料を備蓄していたことから大きな影響は避けることができた。 

さらに、ガソリンや軽油に頼らない天然ガストラックを4019台導入し、全国22カ所に専用の天然ガススタンドを自社設置するなど、車両と燃料を効果的にミックスし、分散配備していたことも功を奏した。この数は、国内の天然ガストラックの普及台数の約21%に達し、トラックの保有台数としては世界一に認定されている(2011年9月国際天然ガス自動車協会調べ)。こうした燃料マネジメントが同社の災害対応を支えた。

BCPの再構築
震災後、傘下の佐川急便は災害対策基本法で定める指定公共機関に指定された。有事が発生した際は国の指定に基づいて救援物資などの緊急輸送をしなければならない。世間からも震災後は、災害時における物流事業者への期待が高まった。こうした状況を受け、同社では、2011年からグループ事業会社単体のBCP構築はもとより、社会インフラとしての責任を果たすため、デリバリー、ロジスティクス、情報システム、物流不動産といった事業会社各社が受け持つリソースを融合させた「グループ連結型BCP」の構築に踏み切った。 

グループ全体のBCPの目標は、原則としてデリバリー事業を中断させないこと。万が一止まるようなことがあっても1日以内で復旧させる。そして甚大な被害をもたらす大規模災害が発生した場合は、被災地においては1週間以内の営業所受取サービスの再開を目指す。営業所が被災したら他の営業所が業務をカバーするなどの代替戦略を柱に据える。 

燃料戦略については、全国127カ所のインタンクの運用を見直し、事業所ごとに異なっていた備蓄量を常時70%以上確保しておくことに改めた。インタンクの大きさにより異なるが、1週間程度の車両燃料は賄うことができる体制を整えている。