火山活動が活発化している霧島連山。噴煙が上がっているのがえびの高原・硫黄山(画像出典:国土地理院ー4月20日撮影)

鹿児島県と宮崎県の県境に位置する霧島山における火山活動を受けて経済産業省は4月24日、営業活動に影響を受けている宮崎・鹿児島両県の全6市町の中小企業を対象に「セーフティネット保証4号」を発動し、資金繰り支援措置を行うことを決めた。火口周辺で観光業を営む事業者を中心に、中小事業者でも火山活動による営業停止による売上減少が続いており、鎮静化までの期間が長引けば幅広い範囲に影響が広がる可能性がある。

セーフティネット保証制度は、外部環境の変動により経営持続に支障をきたしている中小企業者向けに資金調達の円滑化をはかるための国の制度。このうち4号では、指定を受けた地域を対象に、突発的災害の発生により売上が減少している中小企業者に対して信用保証協会など金融機関を通じて、一般保証と別枠で無担保で8000万円、最大2億8000万円まで貸し付け可能とする。今回対象となる地域は、宮崎県都城市、小林市、えびの市、三股町、高原町の5市町と、鹿児島県霧島市の1市。また事業者は、火山活動の影響によって直近1カ月の売上高が前年同月比で20%以上減少しており、さらにその後も2カ月以上前年同月比で20%以上の売上減が見込まれる事業者であることが条件。

融資申請受付期間は7月31日までとするが、今後の火山活動の動向と中小企業への影響を見ながら融資期間の継続するかを3カ月ごとに判断する。

4月24日から宮崎・鹿児島両県の政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会などに特別の相談窓口を設置。被災した中小企業者に相談を受け付けている。

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http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180424005/20180424005.html

(了)

リスク対策.com:峰田 慎二