国は雇用形態の転換を目指しているが(写真:写真AC)

新型コロナウイルス感染症の流行の結果、在宅勤務を軸とするテレワークが広く導入されるなど、企業ではその働き方に大きな変化がありました。

しかし現在、企業の中には、在宅勤務の状態が長く続くことで社員同士のコミュニケーションが不足し、生産性が低下することを懸念して、在宅勤務を縮小する、あるいは出社割合を増やす方向に舵を切るところも出ています。その一方で、時間や場所にこだわらないスタイルで働き方改革をするべく在宅勤務を拡大する企業もあります。

1.「経済財政運営と改革の基本方針2021」

国は、新型コロナウイルス感染症の影響で拡大したテレワークなどの変化を後戻りさせず、働き方改革を加速させるとしています。

具体的には「経済財政運営と改革の基本方針2021 ~日本の未来を拓く4つの原動力~(令和3年6月18日閣議決定)」で、次の項目を示しています。

・感染症の影響からテレワークの拡大などの変化を後戻りさせず、働き方改革を加速させる

・「新たな日常」の象徴であるテレワークについては、ワンストップ相談窓口の設置等、企業における導入を支援するとともに、ガイドライン(注1)の普及に取り組む

・労働時間削減等を行ってきた働き方改革のフェーズⅠに続き、メンバーシップ型からジョブ型の雇用形態への転換を図り、従業員のやりがいを高めていくことを目指すフェーズⅡの働き方改革を推進する

・ジョブ型正社員の更なる普及・促進に向け、雇用ルールの明確化や支援に取り組む など


(注1)「テレワークの適切な導入及び実施の推進 のためのガイドライン」(令和3年3月25日厚生労働省改定)

2.メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用

「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、メンバーシップ型からジョブ型への雇用形態の転換を目指していますが、テレワークを導入した企業においても、雇用形態を従来のメンバーシップ型からジョブ型に移行することで課題解決を図ろうとする動きがみられます。

テレワークの課題解決が必要に(写真:写真AC)

その背景には、テレワーク、特に在宅勤務を広く取り入れる中で、上司側からは「部下の仕事ぶりが把握できず、的確な評価ができない」という声があり、また部下側からは「同僚の仕事の進み具合が分からないので、チームとしての連携が難しい」などの課題が出ていることがあります。