2015/09/20
ニュープロダクツ
非常時こそ見やすいシステム
低コストで他社を圧倒
![](https://risk.ismcdn.jp/mwimgs/8/3/670m/img_83d1a5608cb5d3aaf7a845522faa07f0154092.png)
2000年に開業した御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県)をはじめ全国9カ所でプレミアム・アウトレットを展開する三菱地所・サイモン株式会社。「非日常的な空間で一日中ショッピングを楽しんでいただく」をコンセプトに空間演出に力を入れ差別化を図る、アウトレット業界のリーディングカンパニーだ。「見やすさ」と「分かりやすさ」を重要視し、同社が選んだ安否確認システムはサイボウズスタートアップの安否確認サービスだった。
「災害時に使うので、とにかく見やすく分かりやすいサービスが欲しかった」と話すのは三菱地所・サイモン株式会社の総務人事部長・藤田仁氏。同社がリスクマネジメント強化の一環として安否確認システムの導入を決めたのは2013年。各社の製品・サービスを比較し、最終的に2社にまで絞り込み、デモンストレーションや実際の操作性を確かめサイボウズスタートアップスの安否確認サービスを導入した。「決め手は、アイコンの位置や色使い、工夫された画面デザインがとても見やすく入力も簡単で、初期導入費用が不要かつ低価格の料金設定も魅力だったこと」と藤田氏は語る。
システム導入前の安否確認は、携帯電話や自宅の電話番号などの緊急連絡先リストをもとに直接電話をかける方法をとっていたという。東日本大震災で仙台市にある仙台泉プレミアム・アウトレットが被災。幸いにもケガ人は出なかったが、電話が通じず、コミュニケーションに苦労したと当時を振り返る。
発災直後に利用者が激増する固定電話と携帯電話はたちまち通信規制を受けるが、インターネット通信網は東日本大震災でもほとんど制限を受けていない。サイボウズスタートアップスの安否確認サービスは地震などの災害が起きると従業員の登録アドレスなどに一斉連絡が届き、ケガの有無や出社の可否などシンプルな問いにウェブ上で入力して答えるシステムであるため、通信規制の可能性は極めて低い。
また、通信網が無事であってもシステムを制御するサーバーがダメージを受けるケースや、サーバーが無事であっても発災直後のデータ急増に対応できず機能停止などの障害が発生するケースもあるが、サイボウズスタートアップスはサーバーを国外に設置し、集中するアクセスに応じてサーバーを自動的に拡張させ対応するため体制は万全だ。
藤田氏は「サイボウズスタートアップスのシステムは画面を見れば、マニュアルを出さなくてもどうすればいいかすぐにわかるデザインだった」とも話す。
このほか、従業員への安否確認の確認内容や項目を業務に応じて自由に設定が可能なことも魅力の1つ。入力された返答を自動的にまとめる集計機能もシステム管理担当にとって非常に助かる機能となる。また、緊急時に連絡漏れがないよう、安否確認システムには社用携帯のほかに個人携帯のアドレス登録を行う場合があるが、プライベートの連絡先は管理担当者でも見られない仕組みで個人情報の拡散、漏洩を防ぐ点も特徴だ。
同社では正社員だけでなく契約社員や派遣社員を含めた全従業員約140人の連絡先登録がおおむね完了し、今後は訓練を重ねる予定だという。
【お問い合わせ】
サイボウズスタートアップス株式会社
http://anpi.cstap.com/
TEL 050-3816-6666
info@cstap.com
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方