企業と従業員を守るための知識とケーススタディー
【月刊BCPリーダーズ】9月号

 

異常な猛暑と連日の記録的豪雨、自然現象は脅威の度を増し、人口減と高齢化、一極集中によって社会は脆弱の度を増す。極大化するリスクに一分野・一組織が部分最適で取り組んでも、もはや根本的な解決は見えません。とはいえ、一人一人が全体最適志向を持って動くのもまた至難です。

 

そのためまずは、リスクの全体像とそこに絡む数多の問題を整理する、自らの置かれた状況をあらゆる情報から把握し目指すべき社会像とともに共有する、その上で多様な分野・組織・部門が垣根なく知恵を出し合う。SDGsやTCFDといった国際指標・枠組み、そしてデジタルツインやソサエティー5.0 が目指す仮想の現実空間が、その糸口になりそうです。

前者は、企業がさまざまな社会課題にビジネスをもって応えながら、成長を維持し、かつ環境にベクトルを合わせていくための羅針盤。見えない現実を可視化して示す後者は、多様な関係者が共通認識のもとでアクションを起こすためのタタキ台―。

いま、リスクのスケールとアプローチはどう変わり、企業・組織の取り組みはどこまできているのか。環境と防災の関わり、気候変動への対応を切り口に、専門家インタビューと事例取材からひも解きます。