宗教と政治の関係健全化は永遠の課題
第24回:安倍元首相暗殺事件から想定するリスク思考(4)
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2022/09/26
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
本論考の上で避けて通れないのが政治と宗教の問題である。極めてセンシティブな内容だが、避けては通れないので、お付き合い願いたい。
筆者個人はカルト宗教に対し否定的である。だが、だからといって個々人の思想信条の自由、内心の自由を否定できないことは当然と承知している。人は元来弱いとする「性弱説」を唱える身としては、心を救う宗教という存在が人類には必要不可欠であることも承知している。宗教の必要性は歴史が示しており、その存在やその価値を否定はできない。
カルト(フランス語でセクトsekte)とは、元々否定的な意味ではないが、後に新興宗教などを異端と称し、カルトとされるようになってきた。カトリックを絶対とする環境下での異端は明確だろうが、客観的に教義の何が正統で何が異端なのかの基準は明確でなく、宗教弾圧の危険性をはらんでいることも忘れてはならない。
筆者の学生時代、日本では宗教問題が日常的に存在していた。実際、高校時代の部活動の後輩が宗教の教義を理由に活動ができなくなった。当時その教団に乗り込み、教義の不合理性を問い、後輩の活動を許すように働きかけたが、当然のごとく徒労に終わった。
大学時代には、先輩がある教団に洗脳され拉致された。地域の政治家の助けを借り、奪還し、逆洗脳して救出されたのを知っている。今思えば、当時だから可能だった、ある意味で違法行為による救出だったかもしれないが、無事の救出に多くの人が胸をなでおろした。
自分自身、勧誘も経験し、その教義の不合理さは当時でも疑問視していた。それゆえ、不合理でも存在し続ける、日本や世界の宗教の実態や歴史に少なからず疑問を抱いていた。
その後、さまざまな文献や情報に触れ、宗教的背景が人の行動の基盤、価値判断基準の基本(少なくともマクロ視点では)になっていると認識するに至った。
価値観の違う相手と関わらずに人生を過ごせる人は稀有だろう。ビジネスであれプライベートであれ、国家間の外交も同様に、自分たちの行動基盤、価値判断基準と相手のそれとの違いを認識したほうがよいことは、疑いようがないだろう。
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