2012/06/26
防災・危機管理ニュース
JIPDECがBS規格から国際規格へ移行を発表
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(以下JIPDEC)は、2012年6月26日付で、事業継続マネジメントシステム(以下BCMS)の適合性評価制度における認証基準を、英国規格BS25999-2から国際規格ISO22301に移行することを正式に発表した。
ISO22301 は、最終規格原案(FDIS:Final Draft International Standard)が2012年4月3日付で国際標準として正式承認され、2012年5月15日に発行された規格。ISO22301では、 BS25999-2の基本構成をBCMS要求事項の開発に採用しているため、BS25999-2と同等の技術的内容を包含している。
今回の 移行に伴いJIPDECでは、BCMS認証機関認定に対する要求事項である、「BCMS認証機関の認定基準および指針」等を改訂。改訂内容の情報と改訂に 伴う認証機関の対応については、別途通知するとしている。BS25999からISO22301への移行に対応するための具体的な計画について、 JIPDECでは下記のように発表している。
【移行計画】
① BS25999-2による初回認証審査(新規の認証)は、2012年11月1日までに審査を開始すること。また、BS25999-2の認証登録は、移行の期限内にISO22301への移行のために差分審査を実施すること。
② ISO22301発行後、認証機関は適用規格としてISO22301又はBS25999-2のいずれを使用するかについて組織と合意するとともに、適用規 格として使用した規格を審査計画、審査報告書及び認証文書で明記すること。また、ISO22301による初回審査の場合には、認証機関はISO22301 に基づいて認証審査するための手順が完備していること。
③ BS25999-2で認証登録されている組織に対しては、ISO22301発行後の維持審査(サーベイランス)又は再認証審査において、ISO22301への移行のための差分審査を含むことが望ましい。
【留意事項】
① 既存または新規の組織に対する審査計画は、ISO22301の規格発行後6カ月経過時点からは適用規格としてISO22301を含むことが望ましい。
② 規格の改訂内容に対する差分審査を行うだけの目的で認証機関が追加の訪問を実施することは、要求しない。
備考:これは、差分確認のための臨時の審査は必須ではないことを述べたもので、組織の要望により差分確認のための臨時の審査を行う場合は、認証機関における文書審査のみで良いという意味ではない。
③ BS25999-2で認証登録されている既存の組織については、ISO22301規格中のBS25999-2との差分に不適合を指摘することがあっても、当該不適合は移行期間の終了まではBS25999-2の登録に対して不利益な影響を及ぼさないこと。
④ 認証文書に記載されている規格名称は、当該審査計画で記載されていた版と整合していること。通常は既存の組織に対してISO22301を適用した結果に基 づき、認証機関が認証文書を新しくすることであり、この認証文書はそれまでの認証のサイクルを変更しないことが望ましい。
【移行の期限】
移行の期限は、ISO22301発行から2年とする。
【移行の終了】
移行の終了までに、すべての認証文書はISO22301に適合して新しいものとすること。ISO22301の規格発行後24カ月経過時点で、BS25999-2に基づき認証を受け発行された既存の認証文書は有効でなくなる。
参照:一般財団法人日本情報経済社会推進協会「ISO22301:2012への移行計画について」<http://www.isms.jipdec.or.jp/223012012/ikou_keikaku.pdf>
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年3月28日配信アーカイブ】
【3月28日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:内閣府事業継続ガイドラインの改定/ヘルメット努力義務化
2023/03/28
-
-
-
-
組織の垣根を越えるリスクマネジメント活動
住宅建材・設備機器メーカー大手の株式会社LIXILHOUSING TECHNOLOGYは「体系化」「情報」「活動」の3軸をベースにリスクマネジメントを展開。重点活動の一つが、自然災害リスクに対する対応力向上活動です。災害による被害の最小化は住宅建材設備を供給する者の責任と位置付ける同社の取り組みを紹介します。
2023/03/19
-
コカ・コーラにおけるリスクマネジメントERMとリスク対応計画の枠組み
ザ コカ・コーラ カンパニーは、ビジネスにおいて何らかのリスクが発生し悪影響を及ぼす可能性があることを認識し、それらに対処するプロセスを展開しています。日本においても、日本コカ・コーラをはじめ全国のコカ・コーラボトラーズ各社と連携を図っています。包括的企業リスク管理(ERM)プログラムによって、ビジネスに破壊的な影響を及ぼすリスクの軽減戦略を実行すると同時に、ビジネスの機会を積極的に模索しスマートにリスクをとることを可能にしています。取り組みの内容を日本コカ・コーラ株式会社 広報・渉外&サステナビリティ推進部 リスクマネジメント&クライシスレゾリューション シニアマネジャーの清水 義之さんにご発表いただきました。2023年3月14日開催。
2023/03/16
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年3月14日配信アーカイブ】
【3月14日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:いよいよマスク着用ルール緩和
2023/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方