2018/08/03
ニュープロダクツ

AIG損害保険は3日、食品メーカーや外食事業者向けの衛生管理簡易診断サービス「HACCP-RAS」(ハサップ・ラス)の提供を開始すると発表した。国際的な衛生管理システム基準であるHACCPに沿った衛生管理が今後、事業者に義務づけられることから、主に中小企業向けに同サービスを通じて診断を行い、現状の衛生管理状況の分析のほか、どうすべきかのアドバイスも無償で行う。
HACCPでは最終的な製品となるまで、食品製造や調理の全工程で衛生管理を行う。工程の管理により食中毒防止など全ての製品の安全につなげる。6月に改正食品衛生法が成立。規模や業種は考慮されるが、原則として全ての食品関係事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務づけられる。2020年には施行され、2021年には完全実施になる見通し。
「HACCP-RAS」ではオンラインもしくは用紙により、通常版は20問、簡易版は7問の設問に答える。どちらも飲食店向けと食品製造業向けを用意。「服装や髪形、アクセサリーなど、勤務時の従業員の服装のルールを定めていますか?」などの設問に三択方式で答えていく。オンラインであれば最短では即日で結果を回答。当該事業者の衛生管理の現状についてA~Cの3段階で総合評価するほか、各設問の現状分析や取り組むべきポイントが書かれた報告書を手渡す。
2016年度の農林水産省の実態調査では売上高100億円以上の企業では83.5%がHACCPを導入しているのに対し、5000万円未満では18.6%、5000万~1億円未満では16.5%にとどまる。AIG損保では食品業向けの保険商品も販売しているが、リスクコンサルティング部リスクマネジメントサービス課の相田彩子課長は3日に東京都千代田区で行われた記者発表会で、「HACCP-RAS」について「顧客にいち早く有益な情報を提供し、問題を気づかせたい」と導入の意義について述べた。AIG損保の代理店を通じて提供され、当面はホームページなどでの幅広い公開は行わない方針。
■ニュースリリースはこちら
https://www.aig.co.jp/sonpo/company/press/20180803
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年9月26日配信アーカイブ】
【9月26日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:2023年7-9月四半期振り返り
2023/09/26
-
-
GX支援のアイ・グリッド 防災・BCPへの訴求を強化
企業向けグリーン電力供給のアイ・グリッド・ソリューションズは、気象災害の激甚化からレジリエンス対策のニーズが高まるとみて、防災・BCP面の訴求を強める考えです。このほど、エネルギーリスクと独立電源に対する意識を調べるため、全国の経営者にアンケート調査を実施。事業継続に加えて地域貢献への意向が強いことがわかりました。
2023/09/21
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年9月19日配信アーカイブ】
【9月19日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:未知のリスクに備える
2023/09/19
-
「回復」から「成長」へ 復旧フェーズを格上げ
フッ素樹脂メーカーのニッキフロンは2019 年の台風19号で本社工場機能の大半を喪失。被害と財源を見極め早期に復旧方針を決めると、主要製造ラインの迅速再開と代替生産で出荷の維持に努めました。一時は大幅に売上を落としたものの、取引先などの応援もあって、1年半後には被災前と同レベルに回復、その後は新たな成長フェーズに入っています。
2023/09/18
-
花王のリスクマネジメント改革
1890年に高級化粧石けん「花王石鹸」を発売してから130年以上にもわたり、家庭で愛用される、洗剤を中心としたさまざまな製品を世に送り出してきた花王株式会社。1999年にリスクマネジメント体制を整備した同社は、2016年にリスクマネジメントの改革に乗り出した。現在は、ERM(全社的リスクマネジメント)を展開し、将来直面するだろう未知のリスクにも対応できる体制を整えている。
2023/09/18
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方