2013/06/19
防災・危機管理ニュース
インターリスクレポートより
執筆 インターリスク上海 コンサルティング部 マネージャー 藤田亮
インターリスクレポート「中国風険消息<中国関連リスク情報>」は、中国に拠点をお持ちの企業の皆様にお届けするリスク情報レポートです。中国における種々のリスク(火災等の事故、自然災害、法令違反、情報漏えい、労務リスク等)につい て、時節に応じた話題や、社会の関心が高いトピックを取り上げて解説しています。
※中国語で「風険」はリスク、「消息」は情報・ニュースの意味です。
自社派遣者の国外退避について
~ 最悪の事態を想定した備えのすすめ ~
1.国外への退避が求められるようなリスクとは
現在、世界に進出している日本企業の海外現地法人数は、約2万4000社に上ると言われています。
また、進出先も、北米、欧州、中国等に留まらず、アフリカ、中東、インド、南米まで多岐に渡るようになっています。
一方で、海外では日本では考えられないようなリスクへの対応が求められることもあります。最悪の場合、進出先からの退避が必要な事態に見舞われることもあるでしょう。このように国外への退避が求められる要因としては、どのようなものが挙げられるでしょうか。下記<表1>は、外務省から発表された過去の「危険情報(※i)」のうち、「退避を勧告します。渡航を延期してください。」と発出されたもの(参照:<表2>)について、発出の要因別に件数を調べたものです(※ii)。これに基づくと、「治安等」を要因とした発出が圧倒的に多く、次に多いのが「疾病等」となっています。よって、国外退避を想定した備えを検討される際は、「治安の急激な悪化」や、「疾病等の蔓延」を念頭におくのが妥当といえるでしょう。
- keyword
- 海外リスク
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方