支援物資を積んだトラックが船から避難所へ向かう(珠洲市・飯田港:日本財団)

日本財団では能登半島地震を受け、1月10日から海上輸送で支援物資を奥能登に届けている。同財団常務理事の海野光行さんは「道路の寸断により陸上からの輸送が難しいと判断し、すぐに海上輸送を検討しました」と話す。

国土交通省の協力も受け、着岸可能な港の選択や手配可能な船を調査。兵庫県に本社を置く和光船舶の協力で、一隻のRORO(Roll-on Roll-off)船を用意した。別のプロジェクトで協力した間柄だった。具体的に海上輸送に向けて動き出したのは1月6日ごろだっという。

RORO船の強み

RORO船内で着岸を待つ、物資を積んだトラック(日本財団)

RORO船は、荷物を積んだトラックごと船に載せて運べるのが特徴。「コンテナのように現地で荷さばきや仕分けが必要がなく、追加の人手がかからない。被災地にトラックでそのまま物資を届けられる」と海野さんは説明する。

第一弾は灯油や経由、発電機などを積んで1月10日に金沢港を出港し、輪島港に入港。そこからトラックで避難所になっている特別養護老人ホーム「あての木園」などに物資を届けた。

第二弾は1月14日に金沢港を出港し、珠洲市の飯田港に到着。避難所に設置する簡易シャワー室と医療機関で使う手洗いスタンドなどを届けた。いずれも濾過装置を備え、水を再利用し貴重な水の消費を抑えられる。水の循環システムを開発・販売するWOTA社の協力を得た。手洗いスタンドは石川県の馳浩知事からの依頼だったという。

「プライバシーにも配慮されたシャワーは、被災者の方々にとってほっとできる時間にもなっています」(海野さん)

海上輸送を阻むのは荒れる海

簡易シャワー室(日本財団)

新たな物資を積み込むために、飯田港を出た船は富山方面に移動した。能登半島に向けて金沢と富山の東西両側から、船で物資を運び込める体制を整えたという。

海上輸送にとって最大の障害は荒れる海。船は物資輸送のために毎日出港できる状態というが、悪天候に阻まれる日も少なくないという。

日本財団では今後も海上と陸上からの輸送を続け送け、奥能登の自治体や医療機関を中心に100台の簡易シャワー室と200台の手洗いスタンドの設置を進める。

現段階では、簡易シャワー室は輪島市と珠洲市の避難所に各30台、七尾市と穴水町、志賀町、能登町の避難所にそれぞれ7台の設置を見込んでいる。

「能登半島には地震の被害を受けた漁港が数多くあります。現地から漁船支援として燃料の要望が多く届いています。各漁港へ、船による燃料輸送の検討も開始しました。今後も支援を続けていきます」(海野さん)