2014/01/28
防災・危機管理ニュース
南海トラフ巨大地震について大阪府の検討部会は、1月24日、経済被害額が28兆円を超えるなどの新たな被害想定を公表した。避難者は最大で約190万人、ガスの供給停止は約12万戸(供給戸数の34%)、そのほか、地震後の一週間は飲料水、非常食も大幅に不足するとし、いずれも国の試算を大きく上回った。特に断水の影響は、地震による水道管破裂のほか、淀川が津波の遡上に見舞われ取水が制限されるため、最大で832万人、大阪府民の94%が影響を受けると想定された。
大阪府独自の調査データを盛り込み試算している検討部会では、これまでに津波浸水地域が国想定の3.6倍を超える約1万1000ヘクタール、約17万9000棟の建物が全壊、避難が遅れると津波や堤防沈下により死者は最大で約13万人にのぼると発表している。
検討部会はまた、大阪府地域防災計画の修正に向けて、府と市町村に南海トラフを想定したBCPの作成と訓練の実施、事業者のBCP作成、BCM推進などが盛り込まれた報告をあわせて公表した。大阪府はこれらの報告から、3月に地域防災計画の修正を行う予定だ。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2023/01/24
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月24日配信アーカイブ】
【1月24日配信で取り上げた話題】最強寒波への備え
2023/01/24
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月17日配信アーカイブ】
【1月17日配信で取り上げた話題】防災心理を学ぶゼミ生が制作した企業の防災マニュアル/コロナ発生から3年 企業の初動対応を振り返る
2023/01/24
-
BCPと助け合える関係が機能した災害復旧活動
2019年の台風19号でグループ含め3工場が壊滅的被害を受けたカイシン工業は、経営トップが「全力復旧」の方針を発表すると各工場が即座に活動を開始。取引先や協力会社の支援を受けて設備の交換を迷いなく進めるとともに、代替生産によって早期に出荷を再開しました。同社のBCPと助け合える関係づくりを紹介します。
2023/01/19
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月10日配信アーカイブ】
【1月10日配信で取り上げた話題】2023年のリスクを読む
2023/01/17
-
豪雪をもたらす寒波――1月の気象災害――
2005(平成17)年12月は極東域に強い寒気が南下し、日本列島は相次ぐ寒波に見舞われた。東日本と西日本では、12月の月平均気温が戦後最も低くなった。また、日本海側では記録的な大雪となった。その傾向は2006(平成18)年1月以降も続き、日本海側の山間部では大雪となる日がたびたび現れた。新潟県津南町で2月5日に最深積雪416センチメートルを記録するなど、多くの地点で積雪深の最大記録を更新した。このため、除雪や屋根の雪下ろし等の作業中の落雪や転落などの事故による死傷者が多数発生するなどの人的被害があったほか、家屋の損傷、交通障害、停電などの被害が多発した。気象庁は、2006年3月1日、前年12月からの一連の大雪を「平成18年豪雪」と命名すると発表した。今回は、この豪雪をもたらした寒波について解説する。
2023/01/15
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方