2024/08/31
防災・危機管理ニュース
九州北部を横断した台風10号は、遠く離れた東海や関東地方でも記録的豪雨となった。専門家は要因について「台風よりも、もっと広範囲に水蒸気の流れがあった」と指摘。暖かく湿った空気が南から北に流れ込んだことを理由に挙げ、台風の勢力が弱まった後も大雨などに警戒するよう呼び掛けた。
琉球大の山田広幸教授(気象学)は、台風10号の特徴について、時速15キロと非常に遅いスピードで進んでいることに加え、「中心気圧が935ヘクトパスカルと非常に強い勢力のまま九州に近づいたのは歴史的に見ても珍しい」と指摘。「(進路や勢力の)予測にずれが生じ、予報システムに改善の余地があることが分かった」と説明する。
台風10号では、暖かく湿った空気が台風周辺や太平洋高気圧の縁を回るように流れ込み、上陸地点から遠く離れた東京都八王子市などでも記録的な雨量をもたらした。山田教授は「台風は一つの塊として認識されることが多いが、雨をもたらす水蒸気がその範囲にとどまらないことはよく起きる」と分析。「特に台風の東側へ水蒸気が大量に流れ込み、広範囲で大雨になることがある」と話す。
現在は勢力が弱まって暴風域はなくなったが、山田教授は「今後も局地的な強風のほか、大雨も西日本から東日本の幅広い範囲で影響が続く。しばらくは警戒が必要だ」と語った。
(ニュース提供元:時事通信社)
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