2024/09/01
防災・危機管理ニュース
8月に発表された南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」について、大きな揺れが想定される地域に住む住民の8割が認知したが、うち2割は特段の行動を取らなかったことが、東大大学院情報学環総合防災情報研究センターの調査で分かった。9月1日は「防災の日」で、国は日ごろからの備えの重要性を訴えている。
臨時情報は8月8日、茨城から沖縄まで29都府県の707市町村を対象に初めて発表された。ただ、想定震源域周辺でプレート境界の状況に特段の変化は見られず、後発地震に備えた呼び掛けは1週間後の15日に終了した。
調査は発表直後の9~11日、インターネットで行われ、全都道府県の9400人から回答を得た。臨時情報が発表された「防災対策推進地域」を含む28府県5600人とその他の19都道県3800人に分けて分析。東京都は臨時情報の対象が島しょ部だけのため後者に分類した。
調査の結果、5600人のうち臨時情報(巨大地震注意)を「見聞きした」のは83.0%だった。ただ、その後に取った行動を複数回答で尋ねたところ、21.0%が「特に何も行動は取らなかった」と答え、認知率と行動の隔たりが浮き彫りになった。
実際の行動としては、テレビなどからの情報収集を除くと、「水や食料などの備蓄確認」(19.7%)が最多で、「家族との連絡方法の確認」(9.2%)や「家具の転倒防止確認」(8.1%)などが続いた。「旅行や帰省などの予定変更」は2.1%だった。
同センターの関谷直也教授は臨時情報について「注意の呼び掛けよりも『日常生活を送っても構わない』とした部分が強く受け取られてしまったのでは」と分析。「伝えるべきメッセージが曖昧だったことが問題だ。伝え方が難しいのは分かっていたはずなので、どのように発信するか、国はもう少し事前に考えておくべきだった」と話した。
〔写真説明〕南海トラフ地震臨時情報について記者会見で説明する評価検討会の平田直会長=8月8日
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 南海トラフ臨時情報
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方