2024/09/24
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】イスラエル軍は24日、隣国レバノンの南部や東部で23日に続いて空爆を実施した。軍の声明によると、イスラム教シーア派組織ヒズボラの兵器保管場所や司令施設などが標的となり、首都ベイルートでもヒズボラ幹部を狙った攻撃を行った。ヒズボラがイスラエルへ向けて発射した飛来物も多数撃墜されており、双方の攻撃の応酬が激しくなっている。
レバノン保健省によれば、23日にレバノン各地に加えられた空爆の死者は24日までに558人、負傷者は1835人に達した。子供50人も含まれ、アビアド保健相は「大半の犠牲者は自宅にいた武器を持たない人々だ」と非難した。2006年にイスラエルとヒズボラが大規模に交戦して以来、レバノンでの1日の死者数として最多とされる。
イスラエル軍はまた、ベイルート南郊でも24日に「標的を絞った空爆」を行ったと発表。軍はヒズボラのミサイル部門の幹部を殺害したと明らかにした。
イスラエルは23日にヒズボラ拠点約1600カ所を空爆し、今回の作戦を「ノーザンアローズ(北の矢)」と名付けた。ネタニヤフ首相は「イスラエル市民を守るため、ヒズボラの兵器を破壊せねばならない」と強調。レバノン市民に避難を要請しつつ攻撃を強化する方針を示しており、レバノンでの民間人らの犠牲がさらに拡大する恐れがある。
ハレビ軍参謀総長は「次の段階に向け用意している」と表明。軍報道官は23日の記者会見で、レバノンへの地上部隊展開の可能性を問われたが、明確には否定しなかった。
一方、ヒズボラは24日、イスラエル北部にある軍事工場へロケット弾を発射したと主張。地元メディアによれば、北部の主要都市ハイファに近い町ナザレなどで空襲警報が発令された。ヒズボラは長距離ミサイルなどで攻撃を続けているもようで、商都テルアビブなど人口規模の多い都市が集まるイスラエル中部も念頭にけん制を続けている。イスラエル当局はハイファ以北では休校措置を講じ、市民生活にも影響が出ている。
〔写真説明〕24日、レバノン南部マルジャユンに立ち上る煙(ロイター時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方