2024/10/10
防災・危機管理ニュース
【ロンドン・ロイター時事】ノルウェーのエネルギー調査会社DNVは9日公表したリポートで、世界のエネルギー部門の二酸化炭素(CO2)排出量が今年、ピークに達するとの見通しを示した。石炭火力発電や石油消費の削減につながる太陽光発電や電池の開発コスト低下が背景にある。
2023年に新設された太陽光発電設備の容量は80%増の400ギガワット(GW)。多くの地域で太陽光発電のコストは石炭火力発電よりも割安になった。電池価格の低下を受け、24時間稼働する太陽光発電や蓄電池が利用しやすくなったほか、電気自動車(EV)価格も値下がりが見込まれている。
CO2排出量が最も多い中国は世界最大の石炭消費国だが、同時に全世界で設置された太陽光発電設備の58%、EV販売台数の63%を占めている。太陽光や風力発電設備の新設が続いており、化石燃料への依存度は急激に低下する見通しだ。
DNVの幹部は「太陽光発電と電池がエネルギー移行をけん引している。予想していたよりもエネルギー移行は進んでいる」と指摘、「CO2排出量がピークに到達するのは人類にとっての節目だ」と評価した。
一方、排出量がピークに達したとしても、既にCO2の蓄積が進んでいる上、排出減のペースも遅いことから、世界の気温上昇は「パリ協定」が目標に掲げる1.5度にはとどまらず、2.2度が最もあり得るシナリオと指摘している。(了)
(ニュース提供:時事通信 )
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- CO2排出量
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/12/05
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/03
-
パリ2024のテロ対策期間中の計画を阻止した点では成功
2024年最大のイベントだったパリオリンピック。ロシアのウクライナ侵略や激化する中東情勢など、世界的に不安定な時期での開催だった。パリ大会のテロ対策は成功だったのか、危機管理が専門で日本大学危機管理学部教授である福田充氏とともにパリオリンピックを振り返った。
2024/11/29
-
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方