２０１９年に広島地検の男性検事＝当時（２９）＝が自殺したのは過重労働と上司のパワーハラスメントが原因だとして、男性の遺族が国に約１億７０００万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが１８日、関係者への取材で分かった。提訴は９月１７日付。
　訴状によると、男性は裁判に立ち会う公判部に所属し、１９年１２月に亡くなった。死亡するまでの半年間は時間外労働が１００時間以上になった月もあるなど長時間労働が常態化。亡くなる約１週間前には上司から「司法修習生以下だ」などと威圧的な叱責を受けた。
　遺族側は、国には男性が健康を損なわないように配慮したり、パワハラに適切に対応したりする義務があったのに怠ったなどと主張している。
　男性の死亡を巡っては、法務省が昨年９月、公務災害と認定していた。　
〔写真説明〕東京地裁＝東京都千代田区（ＥＰＡ時事）

（ニュース提供元：時事通信社）