2024/11/01
防災・危機管理ニュース
能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市で、営業を再開した事業所のうち約3割が9月の記録的豪雨で被災し、一部が再び休業を余儀なくされたことが、輪島商工会議所の調査で分かった。同地震は1日で発生から10カ月となった。
同商工会議所によると、市内の約1000事業所の被災状況を調査したところ、521事業所が地震後に営業を再開したが、約3割に当たる145事業所が豪雨で被災し、うち28事業所が再び休業に追い込まれたという。坂下利久専務理事(68)は「もともと少子高齢化が進んだ地域。今後、災害を機に廃業を決める事業所も出てくるのでは」と危機感を募らせる。
建設工具などを販売する「室金物店」は、1月の地震で2店舗がいずれも半壊以上の被害を受けた。クラウドファンディングで約250万円を集め、プレハブの仮店舗での営業再開にこぎ着けたが、約2カ月後に豪雨に襲われた。
仮店舗は床上約150センチまで浸水。地震で壊れた元の店舗からやっとの思いで運び込んだ商品は泥まみれになった。パソコンなどの事務機器も水没し、店主の室栄司さん(57)は「10年使うつもりで導入したばかりなのに全て駄目になった」と嘆く。
それでも将来的には元の店舗を建て直し、事業を再建したいという室さん。「続けていけるか不安もあるが、ニーズがある以上、頑張ろうと思う」と前を向いた。
〔写真説明〕記録的豪雨で浸水したプレハブの仮店舗(中央手前)=9月21日、石川県輪島市(室栄司さん提供)
〔写真説明〕記録的豪雨で浸水したプレハブの仮店舗の内部=9月24日、石川県輪島市(室栄司さん提供)
〔写真説明〕浸水した元の店舗から運び出した机の泥を落とす室栄司さん=10月31日、石川県輪島市
(ニュース提供元:時事通信社)



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