2014/09/08
防災・危機管理ニュース
高齢者専用悪質商法110番を2日間開設
独立行政法人国民生活センターは、高齢者専用の詐欺などの相談に応ずる窓口「高齢者悪質商法110番」を9月16日、17日の2日間開設する。10時から16時まで。電話番号は03-5793-4110。相談料は無料。
同センターによると、消費者トラブルの最近の傾向として70歳以上の割合が多くなり、契約当事者の高齢化が進んでいるという。同センターの分析によると、2004年度の相談件数の年代別による内訳では60代が6.8%、70代が6.7%だったのに比べ、2013年度は60歳代が14.3%、70歳代が22.3%と急増した。高齢者特有の不安として、「お金」「健康」「住宅」が挙げられるという。判断力や身体能力の低下により、「強引な勧誘を断りきれない」「勧誘のセリフに影響され、実際の契約内容を理解できないことがある」「2度以上の販売ターゲットになりやすい」という特徴がある。
災害時には特に消費者トラブルも急増する。同センター相談情報部課長補佐の小林真寿美氏は「災害時にはさまざまな詐欺が横行するので、高齢者は特に気を付けてほしい。詐欺に遭いそうになったり、被害に遭ってしまったらすぐに相談してほしい」と注意を呼びかける。同センターでは、消費者相談窓口として「消費者ホットライン」(0570-064-370)も常設している。災害時に発生する主な消費者トラブルの例は以下。
■過去の災害時にみられた便乗商法
1)「当社と被災家屋の修理契約をすれば、行政から補助金が出る」などと虚偽の勧誘を行い、壊れた住宅の屋根や壁の修理契約を勧誘する。
2)「ボランティアで、損傷した屋根にブルーシートをかけている」と言って訪問し、その後「応急処置が必要な箇所がある」「ブルーシートをかけるより、今すぐ補修をしたほうがいい」と不安を煽り、高額な契約を急がせる。
3)公的機関ではないのに、公的機関を思わせる名称で「家屋の耐震診断をします」というチラシ広告を配布して勧誘、高額な契約をさせる。
4)「清掃に来ました」「何か困っていることはありませんか」などと、公的機関やボランティアを装い、頼んだ後で法外な料金を請求する。
5)電力会社を名乗り「地震後の点検」と言って訪問し、地震による修理と称して高額な料金を請求する。
6)震災後の住宅を訪問し、「雨よけ」のブルーシートをかけた後、屋根工事を勧誘する。断ると「ブルーシート代」の名目で、高額な料金を請求する。
7)「被災地に送るためにボランティアで古い布団を集めている」と訪問し、布団を寄付した人に「いい布団なので、もったいない。打ち直しをしたほうがいい」と高額な布団のリフォームを勧誘する。
■過去の災害時にみられた保証金詐欺の例
「家屋の補修費、当面の生活費などを貸し出すので返済保証金を入金してくれ」と保証金名目で入金させるが、貸し出しは実行されない。
■過去の災害時にみられた義援金詐欺の例
1)日本赤十字社や中央共同募金会の名をかたり、担当者個人と称する銀行口座に義援金を振り込む依頼のハガキや電子メールを送りつける。
2)公的機関を思わせる名称を用いて、自宅を訪問したり、ハガキを送ったりして義援金名目のお金を求める。
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