2014/11/13
防災・危機管理ニュース
地域住民・企業が策定した地区防災計画
内閣府(防災担当)はこのほど、今年4月より施行されている地区防災計画制度の普及にあたり、コミュニティレベルで防災活動に取り組んでいるモデル地区を選定した。東日本大震災での被災を教訓に、津波発生時の独自の避難支援のルールを定めた岩手県大槌町の安渡地区や、マンションの住民全体で防災活動に取り組んでいる神奈川県横須賀市の「よこすか海辺ニュータウンソフィアステイシア自主防災会」など、今年度内に地区防災計画の作成を完了、あるいは予定している全国15地区を採択した。
内閣府では、15地区に対し、必要に応じて地区防災計画の作成や防災訓練を支援するとともに、今後、優良事例として広くPRしていく。
地区防災計画制度は、地域に住んでいる住民や、事業を営む事業者が、主体的に自分たちの住んでいる「まち」の防災に関する計画を策定するというもの。従来の市町村が定める地域防災計画とは違い、行政区を単位とする必要はなく、集落、商店街、自治会、工業団地、マンションなど、自由な対象範囲で防災計画を策定することができる。策定した地区防災計画は、市町村の防災会議に提案し、了承が得られれば、地域防災計画の中に取り入れてもらうことができる。
東日本大震災では、地域住民や事業者(地区居住者等)による自助・共助の精神に基づく自発的な防災活動の重要性が改めて認識され、平成25年の災害対策基本法の改正で、同制度が初めて規定された。選定地区は以下の通り。
【地区防災計画モデル選定地区】
- 安渡 岩手県大槌町
- 桑折町半田地区 福島県桑折町
- よこすか海辺ニュータウンソフィアステイシア自主防災会 神奈川県横須賀市
- 笈ヶ島 新潟県燕市
- 三木地区まちづくり推進協議会(三木地区自主防災会) 石川県加賀市
- 長野市長沼地区 長野県長野市
- 下諏訪町第1区 長野県下諏訪町
- 下諏訪町第2区 長野県下諏訪町
- 静岡市葵区上足洗3丁目 静岡県静岡市
- 富士駅南地区 静岡県富士市
- 千種区大和学区連絡協議会 愛知県名古屋市
- 布土区(時志区も含む布土小学校学区) 愛知県美浜町
- 津市香良洲町 三重県津市
- 二番丁地区コミュニティ協議会 香川県高松市
- 上大河平地区 宮崎県えびの市
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方