フジテレビは27日、自社社員の関与が報じられた元タレント中居正広さん(52)と女性とのトラブルを巡り、一連の対応に批判が高まっていることを受けて、港浩一社長と嘉納修治会長が同日付で引責辞任すると発表した。フジテレビの新社長には28日付で、親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の清水賢治専務が就く。

 同日の臨時取締役会で決議した。その後開いた記者会見で、嘉納会長は当事者の女性に「人権意識の不足で十分なケアができなかった」と謝罪。その上で、視聴者や広告主、株主などに「多大な心配とご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げる。この事態を招いた責任は私ども経営者にある」と辞任の理由を説明した。

 会見には他に遠藤龍之介副会長、フジ・メディアHDの金光修社長が出席。日枝久相談役は出席しなかった。

 中居さんの女性トラブルは2023年6月に起きた。フジはほどなくして事態を把握したが、経営陣の一部だけに情報をとどめ、中居さんの出演番組の放送を継続。今月17日の記者会見では出席メディアを制限した上、テレビ局などの動画撮影も認めなかった。こうした姿勢に批判が高まり、スポンサー企業の間でCMを差し止める動きが急激に広がっている。 (了)

記者会見で謝罪するフジテレビの港浩一社長(中央)、嘉納修治会長(右)ら=27日午後、東京都港区

 

フジテレビ社長に就任することが決まった清水賢治氏=27日午後、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)