2025/02/01
防災・危機管理ニュース
政府は、外国人労働者の中長期的な在留を認める「特定技能」制度に関し、風営法の許可を受けた旅館・ホテル内のレストランで注文取り、配膳といった接客や調理に当たることを新たに認める方向で調整に入った。深刻化する人手不足が経営に悪影響を及ぼしている現状を踏まえた措置。お酌などの「接待」は引き続き不可とする。関係者が31日、明らかにした。
近く特定技能制度などに関する有識者会議に諮る。了承を得られれば、入管難民法に基づく分野別運用方針を今春にも改正する段取りを描く。
特定技能は現在、一定の知識や経験が必要な1号として16分野、熟練した技能を要する2号として11分野が指定されており、「外食業」はどちらにも含まれる。ただ、外国人労働者の「安全な労働環境」を確保するため、風営法の許可を受けた飲食店では特定技能外国人の就労を一律に認めていない。
一方、旅館やホテルは芸者の舞踊などで客をもてなすため、風営法の許可を得ている事業所が多い。新型コロナウイルス禍後のインバウンド(訪日客)急増を受け、旅館やホテルのレストランでも人手不足が拡大。営業停止に追い込まれたり、宴会を中止したりするケースが相次いでいるという。
このため、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)などは規制の緩和を要望。政府は旅館・ホテルの食堂やレストランに限り、風営法の許可を受けていても就労を可能とする方向に傾いた。
対象とするのは特定技能1号と2号の両方。外食業で1号の業務内容は注文取りや配膳、調理と店舗管理とされ、2号はこれらと店舗経営となっている。風営法で「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義される「接待」は禁じられている。
〔写真説明〕観光客でにぎわう清水寺への参道「清水坂」=2024年11月29日、京都市東山区
〔写真説明〕伊香保温泉の石段街=2024年9月24日、群馬県渋川市
(ニュース提供元:時事通信社)


- keyword
- 人手不足
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方