新 世界のリスクマネジメントの潮流
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第6回 どうしたら「ERM戦略」を最適化できるか?
近年、企業は大規模な混乱に見舞われており、レジリエンス(回復力)の重要性が改めて認識されている。その結果、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)は、コンプライアンス対策という側面から、戦略的優位性へと進化を遂げつつある。ERMは、組織全体にわたる幅広い戦略リスク、オペレーショナルリスク、財務リスク、コンプライアンス関連リスクを構造的かつ体系的に評価・管理するアプローチであり、企業が変動に先手を打つための重要な道具になる。
2025/09/25
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第5回 どうしたら取締役会が地政学的リスクを乗り切れるか?
多くの最高経営責任者(CEO)や取締役は、比較的オープンな貿易・人材・情報の流れと、概ね安定したグローバルな同盟関係を特徴とするビジネス環境で、キャリアの大半を過ごしてきた。しかし、過去5年間で国際秩序は劇的な変化を遂げ、その変化は循環的なものではなく、構造的なものへと傾斜しつつある。リスク環境はかつてないほどグローバル化し、相互に関連し、急速に変化している。そのため、こうしたリスクを管理・軽減し、競争優位性を確保するための機会を早く見つけ出すことが重要になっている。
2025/09/11
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第4回 米国で急増する「逆差別」訴訟
最近の米国最高裁判所の「Ames v. Ohio Department of Youth Services」の判決において、判事らは、(差別的な扱いを受けたと主張する)多数派グループに属する原告が、「被告が多数派に対して差別的な雇用主であるという主張を裏付ける」追加的な状況を示す必要はないとの見解で一致した。
2025/08/19
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第3回 アメリカ海洋大気庁のデータの喪失
アメリカ海洋大気庁が最大19の嵐を予測している今年は、組織が最悪の事態に備えるために、データモデリングがこれまで以上に重要となる。実は重要なリソースが危険にさらされたり、完全に失われたりする可能性もある。
2025/08/05
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第2回 「エージェント型AI」とは?そして、安全に利用するために
エージェント型AIは、タスクを自律的に実行し、「思考」に基づく意思決定を行い、サードパーティ製アプリケーションと連携してタスクの完了を促進する。
2025/07/18
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第1回 自動化がもたらす効率と潜在的リスク
今日の企業は、請求処理・顧客対応・データ分析・マーケティングなど、業務の多くをソフトウェア・アルゴリズム・人工知能(AI)によって自動化している。これにより業務は効率的かつ精密に、また大規模に処理可能となる一方で、必ずしも法的コンプライアンスを保証するものではない。とりわけ自動化が適切に管理されていない場合、善意で始めた技術導入が、規制当局による調査・集団訴訟・企業イメージの毀損など、重大な法的問題へとつながる可能性もある。
2025/06/30