2014/12/19
防災・危機管理ニュース
東京都保健福祉局は12月16日、「東京都エボラ出血熱対応マニュアル」を作成したと発表した。既存の「東京都感染症対策の手引」をベースに、今年11月に実施した訓練の検証などを踏まえたという。マニュアルはエボラ出血熱に特化し、保健所をはじめ東京消防庁、指定医療機関など関係機関の役割を明確化したのが特徴だ。
国内においてエボラ出血熱の感染が疑われる患者が発生するなか、都は安藤立美副知事を座長とする東京都エボラ出血熱対策連絡会議を設置し、11月11日に感染指定医療機関で訓練を実施するなど検証を進めてきた。新しいマニュアルでは情報連絡リストの見直しや、健康監視業務を強化したほか、都民相談・広報体制の充実や、移転業務の再構築、適切な個人防護具着脱の徹底などを明記したという。
マニュアルの主な内容は以下の通り。
■主旨
1、エボラ出血熱対策に特化
エボラ出血熱の国内発生に備え万全の体制を整えることを目的に、発生段階に応じた対策を記載
2、関係機関の役割の明確化
保健所をはじめ、東京消防庁、指定医療機関等の関係機関の役割を明記
■内容・要点
1、情報連絡リストの見直し
関係機関の連絡先のリスト化・夜間・休日における連絡体制を明記
2、健康監視業務の強化
検疫法に基づく健康監視の業務内容を詳細に記載
国と都道府県知事等が共有すべき情報を記載
3、都民相談・広報体制の内容を充実
都民相談や都民の不安を解消するための広報体制について記載
4、移送業務の再構築
東京消防庁、保健所等の関係機関の役割分担及び業務手順の見直し
機材の見直し(アイソレーターをハード型からソフト型に変更)
5、適切な個人防護具の着脱の徹底
個人防護具着脱時の留意点を具体的に明記するとともに、適切な着脱手順を図解
「東京都エボラ出血熱対応マニュアル」の作成について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/12/20ocg500.htm
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方