2014/12/25
防災・危機管理ニュース
BSI(英国規格協会)は12月24日、サプライチェーンリスクマネジメント/供給者事前資格審査の国際規格であるPAS7000:2014に関するグローバル基準の邦訳版を発行したと発表した。2014年10月に発行された英語版を日本語に翻訳したもの。PASとはPublicly Available Specificationの略で、日本語では「公開仕様書」と訳され、「一般に公開され、誰でも使用できる規格」であることを意味する。PAS規格から国際標準化規格であるISO化された規格も多いという。
PAS7000が発行された背景には、近年重要視されているサプライチェーンのリスク管理において、さまざまな問題が国際的に発生していることが挙げられる。企業のグローバル化が進み、国内だけで製造から出荷、サービス提供を実施することはきわめて少なくなっており、世界各地に点在するサプライヤーの管理は、企業の存続に欠かせないものになっている。
企業はサプライヤーを管理するため、独自にチェックリストを作成し、監査を実施するなどの対策を行っているが、実際はサプライヤーの数も把握できていない場合もあるという。そのため、サプライヤーがコンプライアンス違反などの問題を引き起こして初めて、深刻な経営危機に直面する事態も少なくない。BSIは、この課題解決に向けての第一歩として、サプライヤーの基本要件を定義する国際基準を、世界中のさまざまな業界から要望されていたという。
PAS7000は、サプライヤーが「誰なのか」「どこにいるのか」「信頼できるのか」という企業の3つの疑問に対して明確にできるよう、サプライヤー評価の基本となるGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)の視点から細部にわたるチェック項目を設定し、サプライヤーのあるべき基準を定義した。これまで業界基準などは存在したが、業種や規模を問わずに幅広い分野を網羅するサプライチェーンリスクマネジメント規格の発行は世界初という。
PAS 7000の要素は、以下の通り。
◆主要要素
組織概要
能力
財務、保険情報
ガバナンス
従業員規則
安全衛生
データ保護
環境マネジメント
品質マネジメント
◆追加要素
企業倫理
サプライチェーン トレサビリティ
サプライチェーン セキュリティ
待遇の均等と結社の自由
懲罰の実行と濫用
事業継続マネジメント
出典:BSIグループジャパン プレスリリース
http://www.bsigroup.com/ja-JP/about-bsi/media-centre/press-releases/2014/pr-PAS7000JP/
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