2025/04/02
防災・危機管理ニュース
ロシアとウクライナがエネルギー施設への攻撃を停止する「部分停戦」に合意して、2週間がたった。だが、両国は1日、相手が合意に違反していると非難合戦を展開。交渉を仲介したトランプ米政権が、部分停戦が有名無実化したと判断すれば、全面停戦や和平の行方にも影響しかねない。
ロシアのラブロフ外相は「プーチン大統領が厳守を命じたモラトリアム(攻撃の一時停止)をロシア軍は順守している」と記者団に語った上で、ウクライナから毎日のように攻撃を受けていると主張。ウクライナ軍の標的とされた施設の「違反リスト」を作成し、米国のウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)とルビオ国務長官に送付したと明らかにした。
一方、ウクライナのゼレンスキー政権は、ロシア側こそ合意を破っていると反論。シビハ外相は記者会見で「1日朝も南部ヘルソン州のエネルギー施設が攻撃され、住民4万5000人が停電の影響を受けた」と述べた。
ロシアとウクライナは3月25日、黒海での停戦にも合意したと発表したが、プーチン政権は対ロシア制裁の一部解除を合意履行の条件としている。ロシアは停戦を巡る協議を国益確保のための「条件闘争」の場と位置付けているとみられ、ウクライナの「停戦違反」をあげつらって交渉を優位に進める思惑も透ける。
〔写真説明〕ロシアのラブロフ外相=1日、モスクワ(EPA時事)
〔写真説明〕ウクライナのシビハ外相=1日、キーウ(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方