【バチカン市時事】「きっと良いリーダーになる」―。新しいローマ教皇レオ14世が選出された8日、バチカン市のサンピエトロ広場では、数万人の信者らが声を上げて喜んだ。小躍りする人々、感極まって涙を見せる少女。それぞれが歴史的瞬間を胸に刻んだ。
 新教皇の選出を知らせる白煙は8日午後6時(日本時間9日午前1時)すぎ、選挙会場の煙突から突然立ち上った。鐘の音も響き渡り、吉報を今か今かと待ち構えていた人々は歓喜。大聖堂のバルコニーにレオ14世が姿を現すと、祝賀ムードは頂点に達した。
 4月に行われたフランシスコ前教皇の葬儀では、世界最小国家バチカン市国と周辺が推定40万人で埋め尽くされた。教皇選挙「コンクラーベ」も注目度は高く、投票初日の7日から各国の人々が広場に足を運んだ。
 ローマ在住の病院勤務ベアトリーチェ・ロマーノさん(33)は、初の米出身教皇の誕生について「国籍は関係ない」と言い切り、「大事なのは、教皇が人々を助け、優しく接することだ」と訴えた。
 アルゼンチンの聖職者エドゥアルド・マンジャロッティさん(46)は「新教皇は教会を一致団結させる良い指導者になる」と信じている。「進歩派、守旧派の垣根を越え、フランシスコ前教皇が唱えた清貧の精神をしっかり受け継いでほしい」と強調した。
 ポーランド西部ウロツワフから来たエンジニアのベロシアさん(24)と妹の大学生マルタさん(20)は「ロシアのウクライナ侵攻を一日も早くやめさせるよう、和平への働き掛けを強めてほしい」と期待を込めた。
 ドイツ西部カンデルでIT関係の仕事に携わるマルコ・トリシャさん(27)は、カトリックではなくルター派のプロテスタント。「教派は違えどキリスト教徒同士、共通点はある。新教皇は改革をどんどん進めるべきだ」と話した。 
〔写真説明〕8日、バチカン市のサンピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を現し、信者らに手を振る新ローマ教皇レオ14世(バチカンメディア提供)(EPA時事)
〔写真説明〕8日、バチカン市のサンピエトロ広場で、新ローマ教皇レオ14世の姿を見ようと集まったカトリック信者ら(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)