【イスタンブール時事】イスラエル軍は21日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンを視察していた日本や欧州、中東各国などで構成される外交団に発砲した。軍は「承認したルートを外れたため、警告目的で撃った」と釈明。パレスチナ自治政府は「実弾が使われた」と非難し、欧州各国からは国際法違反だと批判が相次いだ。
 視察には欧州やトルコ、エジプトなどの外交官らが参加。対パレスチナ日本政府代表事務所の2人も加わっていた。死傷者はいなかった。
 欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)は「外交官の生命を脅かすことは受け入れ難い」と訴え、早急な調査と責任追及を要求。フランスやイタリアは抗議のため、イスラエル大使を呼び出したほか、ドイツやスペイン、ベルギーなどもイスラエル軍の対応に反発した。トルコは「イスラエルが国際法と人権を組織的に軽視する表れだ」と糾弾した。 
〔写真説明〕21日、パレスチナ自治区ジェニンで、イスラエル軍の発砲に驚く外交団(AFP時事)
〔写真説明〕21日、パレスチナ自治区ジェニンの視察に訪れた外交団(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)