中露の対米共闘と中央アジア・シベリアにおける地政学的・地経学的競争
競争関係にもある中露の影響を考慮する
和田 大樹
国際政治学者 株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO、清和大学法学部講師。専門分野は国際安全保障、国際テロリズム、経済安全保障など。大学研究者として安全保障的な視点からの研究・教育に従事する一方、実務家として海外に進出する企業向けに地政学・経済安全保障リスクのコンサルティング業務に従事。
2025/05/23
地政学リスクを読み解く
和田 大樹
国際政治学者 株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO、清和大学法学部講師。専門分野は国際安全保障、国際テロリズム、経済安全保障など。大学研究者として安全保障的な視点からの研究・教育に従事する一方、実務家として海外に進出する企業向けに地政学・経済安全保障リスクのコンサルティング業務に従事。
中華人民共和国(中国)とロシア連邦(ロシア)は、対米共闘のパートナーとして戦略的協力を深めているが、中央アジアやシベリアの地政学的・地経学的背景から、両国は競争相手としても振る舞う。
中国とロシアは、米国主導の国際秩序に対抗するため、戦略的パートナーシップを強化している。2001年の「中露善隣友好協力条約」や上海協力機構(SCO)の設立は、両国の協力を象徴する。SCOは中央アジア諸国を巻き込み、米国の地域影響力を牽制する枠組みとして機能する。近年では、両国は軍事演習「ヴォストーク2018」や「海上連携」シリーズを通じて軍事協力を深化させ、対米圧力を高めている。2024年7月のSCO首脳会議では、プーチン大統領と習近平国家主席が「多極化世界の安定力」を強調し、米国への対抗姿勢を鮮明にした。
経済面でも、ロシアはウクライナ侵攻後の欧米制裁を受け、中国との貿易を拡大している。2024年には、ロシア産天然ガスの中国向けパイプライン「シベリアの力2」の建設が加速し、エネルギー協力が進展している。 両国は、米国中心の金融システムに対抗するため、人民元やルーブルでの決済を増やし、ドル依存の低減を目指す。これらの動きは、中露が対米共闘のパートナーであることを示す。
地政学リスクを読み解くの他の記事
おすすめ記事
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/04/07
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/04/05
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方