小泉進次郎農林水産相は23日、今後放出する政府備蓄米の店頭価格を5キロ当たり2000円台に抑える方針を表明した。政府が価格を決める随意契約を通じて最近の店頭価格よりも大幅に安い備蓄米を供給し、コメの高騰に歯止めをかける。随意契約は週明けに手続きを始め、「早ければ6月の初めに店頭に並んでいる可能性が出てきた」との見方を示した。
 農水省はこれまで、競争入札で高い値段を提示した業者に売り渡していたが、価格の抑制を狙って随意契約に切り替える。低価格の備蓄米が出回る時期は地域によって異なる見通しで、小泉氏は「早く届けられるところには2000円台で届けていく。政治判断だ」と、公平性よりもスピードを優先する考えを示した。
 農水省の集計によると、全国のスーパーで販売されるコメ5キロ当たりの平均価格は3月以降、4000円を上回っている。政府備蓄米の放出後も上昇傾向が続き、石破茂首相は国会で3000円台に引き下げる方針を表明していた。
 これまで備蓄米の入札参加資格は玄米の年間仕入れ量が5000トン以上の大手集荷業者に限られ、落札量の約95%を全国農業協同組合連合会(JA全農)が占めた。政府は今回の随意契約で、スーパーなどの小売業者やインターネット通販を手掛ける事業者も契約先として想定している。 
〔写真説明〕閣議後記者会見に臨む小泉進次郎農林水産相=23日午前、東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)