2025/06/05
防災・危機管理ニュース
厚生労働省が公表した2024年の人口動態統計で、日本人の年間出生数が初めて70万人を下回った。政府は少子化を「国が直面する最大の危機」として対策を進めるが、識者からは「少子化を前提とした社会の再構築が必要な段階に来ている」との指摘も出ている。
政府は、若年者の急減が見込まれる30年代に入るまでを「少子化反転のラストチャンス」と位置付け、23年末に「こども未来戦略」を閣議決定。年3兆6000億円規模の少子化対策として、児童手当拡充や多子世帯の大学授業料無償化、育休時の給付額引き上げなどを段階的に実施している。
ただ、出生数は25年に入っても減少傾向が続いており、効果は見通せていない。
一方、少子化時代を見据えた検討も始まっている。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は2月、40年の大学進学者が約27%減少するとの推計を示し、「大学などの縮小、撤退の議論は避けられず、全体の規模見直しが必要だ」と答申。縮小、撤退に向けた指導強化などを提言した。
審議会は、労働力不足が見込まれることから、生成AI(人工知能)などデジタル技術の活用で補う必要があるとして、デジタル技術を駆使する人材の育成も提案した。文科省が制度改革などに取り組む。
山内昌和・早稲田大教授(人口地理学)は「出生数が70万人を切ったことの影響は徐々に表れ、学校や産業、地域の在り方など現在の社会をそのままの形で維持するのは難しくなっていくだろう」と予測する。
その上で「人口構造は数十年単位で変化してきており、若い世代が少なくなるのは避けられない」と指摘。「子を持ちたくても持てない人や子育てへの支援は大事だが、少子高齢化を前提とした社会の仕組みを考えるべき段階にきている」と強調した。
〔写真説明〕新生児(資料写真)
(ニュース提供元:時事通信社)

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