2015/03/17
防災・危機管理ニュース
地区防災計画学会(会長:室﨑益輝 神戸大学名誉教授)は3月14日、第1回大会を国連防災世界会議のパブリックフォーラムのイベントとして宮城県仙台市で開催した。

大会はメインテーマを「地域コミュニティにおける住民及び企業主体の共助による地域防災力の強化に向けて〜災害対策基本法による地区防災計画制度の創設とその展望〜」に据え、午前中は室﨑氏による基調講演のほか、「コミュニティからみた東日本大震災と世界の大規模広域災害」(司会:矢守克也 京都大学防災研究所教授・地区防災計画学会副会長)「女性と子供が育む地区防災計画」(司会:磯打千雅子 香川大学危機管理研究センター特命准教授)の2つのパネルディスカッションを開催。ゲストに、中国地震局地球物理研究所副研究員の伍国春氏を招き、中国の防災コミュニティ活動報告にも言及した。午後は、「地域コミュニティにおける防災力の向上に関する活動発表会~東日本大震災を踏まえて~」と題した個人研究発表会を開催した。
また同日、地区防災計画のモデル地区報告として「地区防災計画モデル地区フォーラム」が内閣府の主催により開催された。モデル地区報告では実際に被災した岩手県大槌町安渡地区や、福島県桑折町半田地区をはじめ、11地区がそれぞれの地区防災計画の取り組みを発表した。
室﨑氏は「自分たちの町を自分たちで守ることや、意見や立場の違う人とともに防災について考えることは、コミュニティにしかできないこと。コミュニティにしかできないことを防災計画に落とし込むことが、地区防災計画の要だ」と、災害対応におけるコミュニティの重要性について訴えた。
【地区防災計画学会第1回大会概要】
基調講演 「地区防災計画制度が創る未来~世界への発信に向けて~」
室﨑益輝 神戸大学名誉教授・地区防災計画学会会長

パネルディスカッション1
「コミュニティからみた東日本大震災と世界の大規模広域災害 」
司会
矢守克也 京都大学防災研究所教授・地区防災計画学会副会長
パネラー
室﨑益輝 神戸大学名誉教授・地区防災計画学会会長
田中重好 名古屋大学大学院環境学研究科教授
小出 治 東京大学大学院工学研究科教授
渡辺研司 名古屋工業大学大学院教授
西澤雅道 内閣府規制改革推進室総括補佐(前防災担当)
ゲスト
伍国春 中国地震局地球物理研究所副研究員
パネルディスカッション2
「女性と子供が育む地区防災計画」
司会
磯打千雅子 香川大学 危機管理研究センター 特命准教授
パネラー
伍 国春 中国地震局地球物理研究所副研究員
川村丹美 株式会社シーエーシー シニアコンサルタント
矢守克也京都大学防災研究所教授・地区防災計画学会副会長
筒井智士 NTT東日本
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