2025/07/09
防災・危機管理ニュース
トランプ米政権が相互関税の上乗せ分の適用停止期限を7月9日から8月1日に先送りしたことで、一連の関税政策を巡る日米交渉の期限も事実上延長された形となった。日本の産業界では交渉長期化への懸念が強まっており、自動車各社は米国での値上げに動き始めた。
米政権は4月、輸入車に対して25%の追加関税を発動した。日本の自動車産業は米市場への依存度が大きく、米国での販売台数に占める日本からの輸入分の割合が高い三菱自動車やマツダなどは、特に打撃が大きいとみられている。
既に三菱自が米国で3車種の価格を平均2%強引き上げたほか、トヨタ自動車も7月に値上げを実施した。マツダは「値上げの機会を見ている」(幹部)状況で、現地生産の拡大にも取り組む方針だ。
三菱自、トヨタとも値上げ幅は小さく、「通常の価格改定」と説明する。ただ、「年末まで高関税が続くようだと本格値上げを検討せざるを得ないが、販売減への影響も考慮する必要がある」(業界関係者)との指摘もあり、各社は苦しい判断を迫られている。
米政権は今回、韓国やタイなど13カ国にも新たな税率を提示した。日本企業のサプライチェーン(供給網)は世界に広がっており、繊維大手の帝人は「(自社への)直接的な影響よりも供給網混乱や経済減速につながることを懸念している」(広報)と話す。
早期の交渉合意を掲げる政府は「真摯(しんし)かつ誠実な協議を精力的に続けている」(赤沢亮正経済再生担当相)と強調するが、参院選の最中で身動きが取りにくいのが実情。ある元米通商代表部(USTR)高官は「トランプ政権は自動車や鉄鋼関税の撤廃には応じないだろう」と指摘しており、妥結の糸口は見えないままだ。
〔写真説明〕4月2日、横浜港の埠頭(ふとう)に並ぶ自動車(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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