2018/09/25
安心、それが最大の敵だ
事件の全容解明を
戦後も事件は闇に葬られていた。村民は口を閉ざした。だが、昭和54年(1979)に事件の遺族らから「千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼実行委員会」などに連絡があり、事件の現地調査が始められた。1983年には、平形千恵子氏(千葉県歴史教育者協議会)から香川県歴史教育者協議会の石井雍大氏に情報が伝えられ、共同調査や香川県での聞き取り調査が進んでいき、1980年代後半から新聞などマスメディアでも取り上げられるようになった。
平成12年(2000)3月、香川県で「千葉福田村事件真相調査会」が設立され、同年7月には千葉県「福田村事件を心に刻む会」が設立された。「福田村事件を心に刻む会」の設立総会では、事件当時5歳で、戦後福田村の最後の村長になった新村勝雄(東京高等師範(現筑波大学)中退、野田市長を経て社会党衆議院議員)が「個人としてですが、被害に遭われた香川県の方々に心からおわび申し上げます。事件の真相究明は今を生きる私たちの役目です。地元の一人として最大限の努力をしたい」と声を震わせながら語った。村長の人道主義に立った勇気ある発言であった。
平成12年7月、野田市で「福田村事件を心に刻む会」が設立され、平成15年(2003)には犠牲者の追悼慰霊碑が野田市三ツ堀の円福寺境内に建立された。
参考文献:「歴史の闇にいま光が当たる――福田村事件の真相 第1集」(千葉福田村事件真相調査会編・発行)、「福田村事件 ――関東大震災・知られざる悲劇」(辻野弥生、崙書房)、「柏市史」、筑波大学附属図書館文献。
(つづく)
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