総務省が発表した今年1月1日現在の外国人人口は367万7463人で、過去最多を更新した。大都市だけでなく町村部でも外国人労働者の受け入れが広がっており、各地で地元住民との共生に向けた取り組みが行われている。
 スキーなどの観光資源に恵まれた北海道倶知安町の1月1日現在の人口は1万7120人。うち外国人は3627人で、前年よりも833人増加した。増加数は全国の町村で最多。観光需要の高まりを受け、宿泊施設や観光施設などで働く外国人が増えているという。
 町は外国人と日本人の住民が交流するサロンを2022年10月に開設。町民の理解促進につなげるため、25年度は多文化共生に関するセミナーも実施する予定だ。
 長野県白馬村の人口は9525人。うち外国人は1744人で、前年よりも505人増えた。文化の違いがある外国人に「日本での生活ルールを示す必要がある」(担当者)と考え、日々の暮らしを支援するサイトを設けた。英語や中国語など10言語で、ごみの捨て方や災害時の避難場所などの情報を提供している。
 今年7月の参院選では外国人を巡る政策が大きな議論を呼んだ。日本人人口の減少が続く中、外国人住民の受け入れは今後も各地で増えると予想される。倶知安町の担当者は「お互いに歩み寄ることが必要だ」と話した。 
〔写真説明〕外国人宿泊者向けの別荘などが立ち並ぶニセコエリアの一角=2017年10月、北海道倶知安町

(ニュース提供元:時事通信社)