厚生労働省は5日、2025年度の地域別最低賃金が全国平均で時給1121円になると発表した。引き上げ額は過去最大の66円で、中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)が示した目安額63円を上回った。39道府県が目安を超える改定額となり、最低賃金の引き上げが加速した。
 目安は地域の経済力に応じてA~Cのランクごとに示され、東京などのAランクとBランクは63円、Cランクは64円だった。引き上げ額が最も大きかったのはCランクの熊本で、目安を18円上回る82円。大分は81円、秋田は80円だった。隣県や都市部との人材獲得競争を背景に、目安超えが相次いだ。
 最低賃金はすべての都道府県で1000円を超えた。最も高い東京(1226円)と最も低い高知、宮崎、沖縄(1023円)との差は203円となり、前年度の212円から縮小。地域間の格差是正が進んだ。 
〔写真説明〕出勤途中の通勤者たち=8月15日、東京都内(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)