2025/09/10
防災・危機管理ニュース
【ベルリン時事】ポーランド軍は10日、ウクライナを狙ったとみられるロシアの複数のドローンが領空侵犯し、一部を撃墜したと発表した。北大西洋条約機構(NATO)の領空内でロシアのドローンが撃墜されるのは初めてという。ポーランドのトゥスク首相は「大規模な挑発行為だ」とロシアを非難した。
ドローンは9日夜から10日未明にかけて飛来し、トゥスク氏によると19機がポーランド領空に侵入し、最大4機を撃墜した。大半はロシアの同盟国ベラルーシ側から侵入したという。ポーランドに駐留していたオランダ軍のF35戦闘機などが対応に当たった。この影響でポーランドの首都ワルシャワの国際空港への離着陸が一時停止された。
現地メディアによると、ポーランド東部を中心にドローンやミサイルの残骸が見つかった。けが人はいなかったが、住宅や車が損傷し、国境から約400キロ離れた地点にも到達していた。ポーランドは、NATOに対して加盟国の安全が脅かされた場合に実施する第4条に基づく加盟国間の協議を求めた。4条の発動は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年2月以来。
欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)は「意図的」な侵犯との見方を表明。フランスのマクロン大統領は「同盟国の安全保障で妥協するつもりはない」と強調した。ウクライナのシビハ外相は「いま弱腰になれば、ロシアは増長し、ミサイルやドローンが欧州のさらに奥深くまで飛んでくる」と対ロシアで断固たる措置を講じるよう求めた。
ポーランド政府は9日、ベラルーシで同国とロシアの共同軍事演習が行われるのに合わせて、11日から対ベラルーシ国境を封鎖すると発表した。NATOとロシア、ベラルーシの境界で軍事的な緊張が高まっている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/09
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方