AIと著作権【後編】
生成AIの開発・学習と著作権法30条の4
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2025/09/30
弁護士による法制度解説
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
前回、「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日・文化審議会著作権分科会法制度小委員会)(以下「考え方」)をご紹介するかたちで、AI生成物の生成・利用段階における著作権侵害についてご説明しました。
今回も、同じく「考え方」をご紹介するかたちで、生成AIの開発・学習段階における著作権侵害について著作権法30条の4との関係を中心にご説明してみたいと思います。
平成30年の著作権法改正によって新設された著作権法30条の4は、著作物利用に関する権利制限規定であり、所定の要件をみたす場合には、著作権者の許諾なしに著作物を利用することができます。
通常、生成AIの開発・学習に著作物を利用することは、2号の情報解析の用に供する場合に該当しますので、生成AIの開発・学習段階において著作権者の許諾なしに著作物を利用することができるということになりそうです。
しかしながら、同条の適用要件として、➊同条の柱書において「当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合」とされていますので、「享受目的」が認められる場合(「非享受目的」と「享受目的」とが併存する場合を含む)には、同条が適用されないということになります。
また、同じく、➋同条の但書において「当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」とされていますので、著作権者の利益を不当に害する場合にも、同条が適用されないということになります。
このため、「考え方」では、生成AIの開発・学習段階において上記➊➋に該当する場合が例示されるなどして取り上げられていますので、以下、順にご説明します。
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