【香港時事】香港政府トップの李家超行政長官は2日の記者会見で、北部・新界地区大埔の高層住宅で発生した大規模火災に関し、独立調査委員会を設置すると表明した。裁判官を同委トップに任命し、火災の原因究明を急ぐ。
 李氏は調査委設立について「徹底的な調査を求め、改革を進める。誰であっても責任を問う」と強調。修繕工事の安全基準や監督体制の制度改革に取り組む考えを示した。
 また、7日の立法会(議会)選挙は予定通り実施すると説明した。同選挙を「復興への第一歩」と位置付け、予定通りの実施は「社会の安定を維持し、復興を力強く支えることになる」と述べた。
 火災が発生した高層住宅群では当時、外壁の補修工事が行われていた。防火基準を満たさない防護ネットや可燃性の高い発泡スチロールが使用されていたことが、被害拡大につながったとみられている。警察は工事を担当した会社幹部ら13人を過失致死容疑で逮捕した。
 香港当局によると、火災の死者はこれまでに156人、行方不明者は約30人に上る。 
〔写真説明〕火災が発生した高層住宅から立ち上る煙=11月27日、中国・香港北部の新界地区大埔(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)