【ニューヨーク時事】国連安保理は23日、米国の軍事的威圧で緊迫化するベネズエラ情勢を巡り緊急会合を開いた。ウォルツ米国連大使は「(ベネズエラの)非合法なマドゥロ政権が米国の安全に重大な脅威をもたらしている」と正当性を主張。ベネズエラのモンカダ国連大使は「史上最大の恐喝を受けている」と訴え、友好国のロシアや中国からは米国への非難が相次いだ。
 ウォルツ氏は「麻薬カルテルへの資金供給源を絶つ」ため、石油販売の利益も対象とした「最大限の制裁を科す」と強調。「米国民を守るために全ての力を行使する」と述べた。
 一方、モンカダ氏は米側の行為が「侵略犯罪であり、法的理論や歴史的前例を超えている」と反論。「米国の野望は大陸(全体)に及ぶ。ベネズエラは最初の標的にすぎない」と南米諸国に警戒を促した。
 ロシアのネベンジャ国連大使は米国による海上封鎖は「最も明白な侵略行為」と糾弾。中国の孫磊国連次席大使は米国に対し「さらなる緊張激化の回避を」と呼び掛けた。 
〔写真説明〕23日、国連安保理の緊急会合で発言するベネズエラのモンカダ国連大使=ニューヨーク(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)