2026/02/19
防災・危機管理ニュース
埼玉県八潮市で昨年1月、県道が陥没してトラックが転落した事故で、専門家らでつくる原因究明委員会(委員長・藤野陽三城西大学長)は19日、最終報告書を公表した。「陥没は硫化水素によって腐食した下水道管に起因する」とした上で、「通常以上の意識を払えば腐食、損傷のリスクの高まりを推測できた」と指摘。一方、陥没は「予測可能だったとは言えない」と結論付けた。
報告書によると、県が2021年度に行ったカメラによる腐食状況の調査では、水しぶきや光量不足で、陥没が発生した地点の下水道管の映像が取得できていなかった。硫化水素濃度が高い地点で再調査すべきだったが、調査会社や県職員に下水道管の構造に関する高度な知見がなく、直ちに対応が必要な「ランクA」ではなく異常が少ない「ランクB」と評価していた。
一方、当時の技術では地表から陥没の兆候を検知して「未然に予測することが可能だったとは言えない」と指摘。その上で、映像が取得できなかった区間は再調査を実施し、それでも取得できない場合は「評価不能」などと記録することを義務付けるよう提言。過酷な状況でも鮮明な映像が取得できる調査機器など、新たな点検技術の開発も求めた。
二羽淳一郎副委員長(東京科学大名誉教授)は記者会見で、「県の点検手法は他の自治体に比べて劣ってはいなかったと考える。前例のない事故で、予見できなかったというのが妥当な判断だ」と話した。
記者団の取材に応じた大野元裕知事は「より良い手法や新たな技術を確立するための国との協力を進めていくことが責務。今回が日本で最後の事故になるよう、他の都道府県とも危機感を共有できるよう努めたい」と述べた。
〔写真説明〕埼玉県八潮市で下水道管が破損して陥没した県道交差点の復旧工事現場=1月26日
〔写真説明〕埼玉県八潮市の県道陥没事故に関する原因究明委員会の最終報告書を受け取り、記者団の取材に応じる大野元裕知事=19日午後、さいたま市
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
「情シス任せ」「コンサル任せ」では終わる
社会機能の維持に欠かせない業種でサイバーインシデントが相次いでいます。事業停止の影響は一企業のビジネスの域を超えサプライチェーン全体に波及。いまやセキュリティは経営の重要課題です。企業を取り巻くサイバーリスクと求められる対策について、日立ソリューションズの扇健一氏と辻󠄀敦司氏に聞きました。
2026/07/03
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/30
-
-
-
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
-
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方