【ワシントン時事】米軍は3日未明、南米ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、米国に移送するという大胆な作戦を敢行した。150機以上の航空機を投入した拘束劇の大規模かつ綿密な計画は、数カ月かけて練られたという。
 米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長によると、作戦名は「絶対的決意」。米軍と情報機関が数カ月前からマドゥロ氏の滞在場所や移動手段、食事内容、服装、ペットに至るまで個人情報を調べ上げた。
 トランプ米大統領は、マドゥロ氏が滞在していた首都カラカス中心部の邸宅は「家というより要塞(ようさい)だった」と明らかにした。米軍はマドゥロ氏の邸宅とほぼ同じ模型を建設し、突入訓練を繰り返した。
 トランプ氏は当初、昨年末の作戦実行を命じていたが、米軍は天候などの条件が整うのを待った。トランプ氏が改めて開始を命じたのは2日深夜。戦闘機や爆撃機など150機以上の航空機が20カ所以上の基地から参加した。
 米軍は衛星やサイバー攻撃などを活用してベネズエラのレーダー網を妨害。空爆などで防空システムを破壊し、拘束を担う特殊部隊がヘリコプターで邸宅に乗り込む環境を整えた。
 トランプ氏の説明によると、マドゥロ氏は急襲を受け、厚い鋼鉄製の扉で守られた「安全部屋」に逃げ込もうとした。しかし、部隊の動きの方が速く、扉を閉めることができなかったという。米軍は扉を破壊するため、火炎放射器なども携行していた。
 米南部フロリダ州の邸宅「マールアラーゴ」で、ルビオ国務長官らとともに作戦の一部始終を生中継映像で見守ったトランプ氏。FOXニュースのインタビューでは「全てが訓練通りだった」と誇ってみせた。 
〔写真説明〕ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束、移送作戦「絶対的決意」に使われた米海軍の強襲揚陸艦「イオージマ」=2018年10月、ノルウェー(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)