2026/02/07
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】世界銀行のギル上級副総裁兼チーフエコノミストは6日までに時事通信のインタビューに応じ、世界経済の動向について、長期的な成長の勢いが失われたとの認識を明らかにした。人工知能(AI)導入による生産性向上が、成長のカギになり得ると述べた。AI普及の偏りは世界の経済格差を拡大しかねないが、貿易や投資を通じた技術移転で対応可能とし、日本の協力に期待を表明した。
トランプ政権の高関税政策で著しい不透明感に覆われた世界経済だが、ギル氏は「驚くべき強靱(きょうじん)さを示した」と指摘。だが、各国政府と民間の債務膨張や、途上国の成長停滞が足かせとなり、成長は「長期的には活力の減退に見舞われている」と警告した。
世銀は先月公表した世界経済見通しで、今年の世界成長率を2.6%、来年は2.7%と予想。「2020年代は1960年代以降で成長が最も弱い10年になる」と見込んだ。
こうした中、ギル氏は「AIが効率性を大いに高める巨大な潜在性を秘める」と強調。成長停滞を脱する足掛かりとして期待感を示した。
特に米国では、活発なAI関連投資が「バブル」ではないかとの懸念も浮上する。ギル氏は「波はある」ものの、ある程度の浮き沈みは「技術進歩の本質そのものだ」と先行きを楽観した。
AI普及の度合いにより、先進国と低所得国の格差が一段と拡大すると不安視する向きもある。ギル氏は「貿易や投資を通じて技術移転が進めば、技術的な波及が起きる」と指摘。「世界の貿易体制に大きく左右される」と語り、各国に非関税障壁撤廃などを求めた。また、先進国間でも「欧州では米国ほどのAIブームが起きていない」と、むらがあることに言及した。
格差縮小を促す技術移転に関し、ギル氏は「世銀で(米国に次ぐ)第2位の出資国である日本と密接に協力していく必要がある」と訴えた。世銀は2024年、途上国開発が抱える課題への対処を目指し、ギル氏をトップとする「経済開発研究所」を設立。東京とワシントン、ローマの3カ所に拠点を構える。
〔写真説明〕インタビューに応じるギル世銀チーフエコノミスト=3日、ワシントン
〔写真説明〕インタビューに応じるギル世銀チーフエコノミスト=3日、ワシントン
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
- NY株、初の5万ドル台=史上最高値、ハイテク株に買い戻し
- AI、成長促進のカギに=世界経済、勢い失う―世銀幹部
- パキスタン首都郊外でテロ、31人死亡=160人超負傷、金曜礼拝中
- 米株市場でAI脅威論=相場けん引役、一転重荷に
- 米巨大IT、4社が最高益=AI投資さらに加速へ―25年10~12月期
おすすめ記事
-
海外危機管理マニュアルの作成が急務
海外に社員を送り出す企業にとって、緊急事態が発生した際の対応体制は必須。どんなに現地に慣れたベテランでも、自分の身を守り切れない事態は起き得ます。ましてや現在は安全保障上の国家対立が深まり、東アジアの緊張も高まっている時代。海外危機管理サービスを手がける安全サポートの有坂錬成代表取締役に、海外進出企業が取り組むべき対策を聞きました。
2026/02/05
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/02/05
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/02/03
-
-
-
発災後をリアルに想定した大規模訓練に学ぶ
2026年1月14日、横浜市庁舎10階の災害対策本部運営室で、九都県市合同による大規模な図上訓練が行われた。市職員に加え、警察、自衛隊、海上保安庁、医療従事者、ライフライン事業者などが一堂に会し、市災害対策本部運営をシミュレーションした。
2026/01/26
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方