2026/06/18
防災・危機管理ニュース
知床観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故で、釧路地裁は運航会社「知床遊覧船」社長、桂田精一被告(62)を禁錮5年の実刑とした。判決は、事故当日に出航中止の指示を怠ったのは偶然の判断ミスではなく、「安全を軽視する平素からの態度が形となって表れた」と厳しく非難した。
桂田被告は経営トップでありながら、船の安全を統括する運航管理者も兼務。しかし、要件である「3年以上の実務経験」がないのに選任されるなど、同社のずさんな運航実態はこれまで相次ぎ発覚していた。
判決は、被告が同社の安全管理規定に反し、事務所を離れることが常態化していたと指摘。運航管理者に求められる出航判断には選任以降ほとんど関与せず、経験の浅い船長は同業他社に倣って判断せざるを得なかったとした。
被告は公判で、出航の可否や航路について船長と協議して決めたが、船長が独断で航路を変更したと説明していた。これについて判決は「運航に関する会話をしたこと自体も甚だ疑わしい」と一蹴。必要な従業員の数もそろっておらず、「十分な安全管理体制の確保を怠ったのは他ならぬ被告だ」と断じた。
判決は沈没の経緯として、船首甲板部のハッチのふたが完全に閉まらない不具合があり、大量の海水が流入したと認定した。被告は公判で、不具合を知らなかったと主張したが、「ハッチの機能不全を認識していなくても、過失責任を問うことは何ら不当とは言えない」と退けた。
法廷で反省や謝罪の弁を述べた被告に関し、「自己の責任の重さを真摯(しんし)に受け止めているようには見受けられず、表面的との評価を免れない」と厳しく批判した。
〔写真説明〕判決のため、釧路地裁に入る運航会社「知床遊覧船」社長の桂田精一被告=17日、北海道釧路市
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 船舶事故
防災・危機管理ニュースの他の記事
- 安全軽視、厳しく非難=「平素の態度が表れた」―知床沖事故判決
- ガザ停戦後1000人超死亡=イスラエルが攻撃継続
- 米、年内利上げに想定変更=戦闘終結合意も物価高警戒―4会合連続据え置き・FRB
- 半導体供給網強化へ地銀が連携=九州と北海道・北陸、地元振興で
- CO2を建築資材に封じ込め=世界初の工場完成、年産1万トン―豪
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/16
-
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/06/05
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方