2026/06/18
防災・危機管理ニュース
【エビアン時事】17日閉幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を共同で進めることなどを柱とする声明が採択された。名指しこそ避けたが、重要鉱物を他国への圧力に利用する中国へのけん制が念頭にある。中東情勢などを巡って関係が冷え込む欧米が「一致できる数少ないテーマ」(政府関係者)だった。
声明では、重要鉱物の恣意(しい)的な輸出制限や報復措置を含む経済的威圧に「深刻な懸念」を示した上で、「G7重要鉱物強靱性・生産同盟」の設立を表明した。中国が不透明な補助金などの非市場的な政策・慣行を通じて過剰生産や不当廉売を行い、他国の産業を空洞化させたことに対抗。供給網を多角化し、公正な市場を作るのが狙いだ。
先端電子部品に使われるレアアース(希土類)については、「単一供給国」への依存度を2030年までに60%未満に引き下げ、可能な限り早期に50%にする目標も掲げた。中国は世界で採掘の7割、精錬の9割を握る。
各国が適切な形で備蓄能力を高め、危機時に備えた情報共有の仕組みを整えることでも合意した。備蓄実績がある日本は、今回の会議で各国の備蓄を支援する構想を表明していた。ただ、共同調達や補助金、最低価格の導入などは「検討を続ける」との表現にとどめた。
「対中国」の姿勢は、他のテーマの声明にも反映された。世界経済の不均衡是正では、非市場的な政策や慣行がもたらす悪影響への共通の懸念を再確認。途上国に対しては、中国から低利融資を受けた国が返済に行き詰まり、鉱山や港湾の権益を握られる「債務のわな」に陥る事態が起きていることを踏まえ、G7が債務管理や民間資本の呼び込みを支援し、互恵的な関係を築く方針を明記した。
〔写真説明〕先進7カ国首脳会議(G7サミット)で招待国も含めた討議に臨む各国の首脳ら=16日、フランス・エビアン(代表撮影)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/04
-
-
-
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
-
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
-
-
事例研究で有事に備え、組織の体質改善で形骸化を防ぐ
組織レジリエンスの強化やサイバーセキュリティーの向上、サプライチェーンの強靭化など、危機管理やリスク管理担当者が関与する領域は年々拡大している。変化する社会状況にあわせ、担当者はどのように学び、備え、対応することが求められるのか。森総合研究所代表の森健さんは、自治体と企業で危機管理担当者としての経験を積み、現在はコンサルタントとして、企業や団体の危機管理の支援を手がけている。自身の経験を踏まえ、危機管理の担当者にどうアドバイスしているのか、話を聞いた。
2026/07/27
-
-
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方