【ワシントン時事】米連邦最高裁が29日、トランプ米大統領によるクック連邦準備制度理事会(FRB)理事の即時解任を認めない判決を下したことで、トランプ氏の「利下げ戦略」は大きく狂うことになる。秋の中間選挙をにらみ株高や景気浮揚を狙うトランプ氏は、息のかかった人物を送り込んで利下げ環境を整える思惑があったとみられるが、司法が待ったをかけた形だ。
 学者出身のクック氏は2022年、バイデン前政権下で黒人女性初のFRB理事に就いた。
 ところが大統領に復帰したトランプ氏は昨年8月、クック氏が理事就任前に住宅ローンを組んだ際に不正を働いたと主張。一方的に解任を言い渡した。大統領によるFRB理事の解任通告は前代未聞で、金融政策の独立性が脅かされる事態に発展した。
 クック氏は判決後に発表した声明で、住宅ローン問題は「でっち上げだ」と改めて反論。金融政策の判断を巡り「政治的圧力に屈することを拒否した」ことが解任通告の要因になったと指摘した。
 判決を受けてクック氏は職務を継続。パウエル前議長も理事に当面とどまるため、トランプ氏が意中の人物を理事に充てることはできない。 
〔写真説明〕トランプ米大統領=4日、ワシントン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)