リスク対策.comは7月17日、「危機管理塾」を開催した。今回は、水処理プラントの設計・開発を手掛けるオルガノ株式会社が登壇し、本社ビルで進めてきた浸水対策について紹介した。気候変動の影響で豪雨災害のリスクが高まる中、企業が重要設備をいかに守るか、その検討プロセスや具体的な対策を共有した。

オルガノ経営統括本部総務部課長の勇崎義紀氏は、浸水対策に取り組んだ経緯として、本社ビルの地下には、高圧受変電設備をはじめ、配電盤、回転機器、空調設備、サーバー用非常用発電機など、事業継続に不可欠な設備が集中していることを説明。これらが浸水被害を受けた場合、設備の復旧には半年から1年以上を要する可能性があるほか、広域災害では周辺ビルも同時に被災するため、復旧工事の優先順位が下がることも想定されるとした。こうした背景から、「地下設備を確実に守ること」が最優先課題となった経緯を紹介した。

対策を検討する過程では、当初、土のうによる止水を想定し、実際に設置訓練を実施した。しかし、短時間で大量の土のうを運搬・設置する作業は想像以上に負担が大きく、夜間や休日など人員が限られる時間帯に本当に対応できるのかという課題が明らかになったという。
 
止水板の導入にあたっては、防水性能を高めるために厚手のシートを採用するなど複数の方法を試行した一方、最終的には「夜間・休日でも人手を必要としないこと」「停電時でも確実に機能すること」を重要な選定条件とした。また、導入に当たっては、止水板を設置するだけではなく、建物全体の地下水密化も実施。

さらに、コンピューターシミュレーションを用いて浸水時の水の流れを可視化し、止水板によってどの程度浸水を抑制できるかを検証した結果についても紹介した。シミュレーションでは、止水対策を実施しなかった場合、地下設備の被害額は約10億円規模に達する可能性があることも試算され、設備保全への投資効果を定量的に確認したという。
 

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【発表者】
 オルガノ株式会社 
 経営統括本部総務部
 部長 斎藤 俊一 氏
 課長 勇崎 義紀 氏

配信期限 2026年10月31日